
4月5日(土)の放送では、ゲストに大塚商会の代表取締役社長・大塚裕司さんが登場。パーカッショニストとしての活動に注目し、3月30日(日)にリリースされた最新アルバムの制作エピソードを伺いました。
(左から)パーソナリティの吉田和雄、大塚商会の大塚裕司さん、河村由美
◆“ブラジル愛”を詰め込んだリオ録音第2弾!
吉田:今日は、3月30日(日)にリオ録音の第2弾をリリースした、大塚商会の代表取締役社長で、パーカッショニストでもある大塚裕司さんをスタジオにお迎えしています。
大塚:よろしくお願いします。
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大塚:ブラジルのコルコバードの丘ですね。写真は私が撮りました。
河村:コルコバードの丘に太陽が沈んでいく写真ですごく素敵です。前作のアルバムと雰囲気が少し似ていますね。
大塚:前はコルコバードの向かい側から直接撮ったんですけど、今回はそこへ向かうロープウェイの途中から撮りました。ちょうどいい光になりました。
吉田:前作の流れを感じていいなって思いました。最初のアルバムタイトルが『Amizade(アミザーヂ)』で、今作が『Mais Que Amizade』。「Amizade」は「友情」を意味するポルトガル語ですが、「Mais Que」が付くと「友情以上」という意味になるんですよね。さらにブラジル愛が強くなったアルバムです。前作が大好評でしたので、大塚さんといろいろ相談して、前作とどう差別化を図るかを考えました。
サンバではみなさん楽器を持ち寄って、飲みながら歌うスタイルを「パゴージ」と言うんですけど、楽器を持ち寄ることからどうしても男性中心になってしまうんですね。そのスタイルにおいて女性のコーラスをフィーチャーしたいなと僕が提案して、大塚さんから賛同をいただきました。
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大塚:そうですね。
吉田:そこに大塚さんお得意のクィーカ(ブラジルの打楽器)で参加されています。まずは、極めつけの1曲をお聴きいただきましょう。ここでは「パルチードアウト」というブラジル音楽のリズムパターンがたくさん出てくるんですけども、そこでは2つのパンデイロ(ブラジルのフレームドラム)が活躍しています。
左に聴こえるのがゼロというブラジルの名パーカッショニスト、右に聴こえるのが日本代の大塚さんです。それでは、「マルチーニョ・ダ・ヴィラ・メドレー」をお聴きください。
◆ドライバーや調理器具を使って音を奏でる!?
吉田:今日は珍しい楽器や、楽器と言っていいのかわからないものがスタジオに勢ぞろいしています。
河村:キッチンにあるようなものばかりですね(笑)。
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河村:まるで打楽器ですね! 面白い! 大塚さん、演奏するのはちょっと難しそうですね?
大塚:意外と指が痛いです(笑)。
河村:2本のあいだに指を挟んで調節されています。これはテクニックが必要ですね。
吉田:ところで、ここにはフライパンもあるんですよ。
河村:かわいらしい小さなフライパンです。
吉田:それでは演奏をお願いします! 左手で回しながら右手をフライパンのなかで動かしています。あと、こちらも気になりますね。
河村:金属の筒みたいなものにかなり大きめのバネが3本貼ってあります。そしてドライバーも!
大塚:100均にありそうなものですね。
河村:(ドライバーで鳴らして)見事な打楽器になった!
吉田:こういう身近なもので、楽器には見えないアイテムの音がサンバにはあるんですよね。それでは、スプーンとフライパンが出てくる曲をお聴きいただきましょう。大塚さんは左チャンネルで演奏しています。そして、最後のカヴァキーニョとクイーカの掛け合いも聞きどころです。「イヴォーニ・ララ・メドレー」。

フライパンを使って生演奏中の大塚裕司さん
◆長谷川きよしの名曲をアレンジ
吉田:「イヴォーニ・ララ・メドレー」で女性コーラスの中心になってくれたのが、前作に引き続き、亡きセルジオ・メンデス夫人のグラシーニャ・レポラーセの妹さんであるマリアーナ・レポラーセです。今回のアルバムでは大塚さんと相談をして、日本の曲も入れることにしました。僕は長谷川きよしさんの世代なのですが、大塚さんも同世代ですよね?
大塚:ほぼ一緒ですね。
吉田:長谷川きよしさんというと、バーデン・パウエルのようなギターが魅力だったんですけども、「別れのサンバ」は僕にとってバーデンの曲だなって今でも感じています。
大塚:ちょっと寂しい感じがありますよね。
吉田:今回、長谷川きよしさんの「別れのサンバ」を、バーデン・パウエルの息子さんのマルセル・パウエルによるギターと、リオの歌姫であるタイス・モッタ、そして大塚さんのパンデイロの3人だけで演奏していただきました。それでは、「サンバ・ダ・セパラサォン」をお聴きください。
◆学生時代に音響スタッフを経験
吉田:僕は昔、長谷川きよしさんと一緒に演奏をしたことがあるんですけど、大塚さんは長谷川きよしさんを呼ばれたことがあるんですよね?
大塚:ええ。大学時代にいくつかのクラブがありまして、大学の講堂にステージを組んで。当時はPAをやっておりました。
吉田:音響もされていたんですね。そういえば、「サンバ・ダ・セパラサォン」の録音のとき、大塚さんの第一声が「音楽っていいなあ」だったんですよ。
河村:覚えていらっしゃいます?
大塚:照れくさいですね(笑)。
河村:きっと、心の底から出た言葉だったんですよね。
吉田:3人だけの緊張感というのもよかったと思います。この曲は哀愁があっていいです。
大塚:ポルトガル語のほうが響きが柔らかいですよね。
吉田:ということで、今回は3月30日(日)に『Mais Que Amizade(マイス・キ・アミザーヂ)』をリリースされた大塚裕司さんから、楽器の実演もしていただきながらお話を伺いました。
<番組概要>
番組名:大塚商会Presents Kazuo Yoshida's BOSSAMANIA
放送日時:毎週土曜日 19:00-19:55
パーソナリティ:吉田和雄、河村由美(アシスタント)
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