
《“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語です》(NHK公式サイトより)
3月31日から始まった朝ドラ『あんぱん』。脚本を担当するのは『西郷どん』『花子とアン』(ともにNHK)、『Doctor―X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)、『ハケンの品格』(日本テレビ系)など数々のヒット作を手がけた中園ミホ氏。実は中園氏は現役の占い師という意外な一面を持っている。
「中園さんは14歳のころから占いを学んでいました。占い師は人間観察に優れていて、それは脚本家にも共通する点があります」と言うのは、ドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。中園氏自身もヒット作のルーツは占いにあると公言している。
「10歳でお父さんを亡くした中園さんは、つらかったときに読んだやなせさんの詩集『愛する歌』に感動して手紙を送ったことから、やなせさんと文通を始めたそうです。19歳のときにお母さんも亡くなり、その後、未婚で出産、シングルマザーになるなど人生経験が豊富なことも、長くトップクラスの脚本家でいられるゆえんだと思いますね」(カトリーヌあやこさん、以下同)
朝ドラヒットの法則は“著名人の妻”
主演で朝田のぶ役は今田美桜、のぶの夫の柳井嵩役は北村匠海。さらに二宮和也、加瀬亮、吉田鋼太郎、松嶋菜々子、竹野内豊、阿部サダヲら実力派俳優が勢ぞろい。Mrs.GREEN APPLEの大森元貴も作曲家役での出演で話題を呼んでいる。
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「二宮さん、竹野内さんは朝ドラ初出演で新鮮かつ豪華、高橋文哉さんなど若手のイケメンもいます。ミセスの大森さんは、やなせさんが作詞した『手のひらを太陽に』の作曲家として知られるいずみたくさんがモデルの役で、曲の誕生秘話も描かれるのでは」
『あんぱん』は戦前から戦後にかけての激動の時代を舞台にしている。
「やなせさんは戦地に行き、餓死寸前の体験をしました。反戦への思いが、日持ちするあんぱんをモチーフにしたアンパンマンの誕生へとつながります。戦争は物語の重要な要素になるでしょう」
水木しげるさん夫人の『ゲゲゲの女房』、日清食品創業者の安藤百福さん夫人の『まんぷく』など、著名人の妻がヒロインの朝ドラはヒットしやすいといわれている。
「夢を追いかける夫とそれを支える妻が成功していく姿、深い夫婦愛を視聴者も応援し、思い入れも強くなる。『おむすび』『ちむどんどん』『舞いあがれ!』などオリジナル脚本は半年間の放送中に迷走しがちですが、実在の人物がモデルだと結末は決まっています。のぶはドキンちゃんのモデルだといわれていて、そこも描かれたら面白そうですね」
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視聴者にアンパンチのような衝撃を与えるドラマになりそうだ。