広瀬すず×杉咲花×清原果耶、映画『片思い世界』唯一無二の世界観を生み出した美術&衣装のこだわり

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2025年04月10日 17:51  ORICON NEWS

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映画『片思い世界』(公開中)場面写真(C)2025『片思い世界』製作委員会
  俳優の広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演する映画『片思い世界』(公開中)。脚本家・坂元裕二氏が新たに書き下ろした本作の世界観を具現化した、美術や衣装の制作の裏側を紹介する。

【画像】映画『片思い世界』衣装イメージ画

 現代の東京の片隅で、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬)、優花(杉咲)、さくら(清原)。本編で描かれるのは、「私たち普通に生きよう」という美咲の一言から始まった、3人の大切な「普通の暮らし」。ご飯をちゃんと作ること、お風呂に入ること、洗濯物を畳むこと、誰も見ていなくてもトイレのドアは閉めること…。誰よりも「普通に暮らすこと」を大切にする3人の個性あふれる“居場所”はどのように作られたのか。

 屋根裏部屋のようなベッドルーム、一緒にご飯を食べるテーブルに一人一人違う椅子、毎年身長が記される柱、ホラー映画を観ながらぎゅうぎゅうになって座るソファ、時計がわりのラジオ。映画『片思い世界』に登場する3人が暮らす古い一軒家には、懐かしさや温かさを感じる宝物のような家具や小物が詰まっている。

 幼い頃から3人で身を寄せ合って暮らしてきたという設定があるため、3人が住む家もそれぞれのキャラクターありきでイメージしたと語る美術の佐久嶋依里は「例えば、量子力学に興味を持つ優花は、幼い頃からおまじないや心霊現象などに関心を持ってきたのかもしれないと想像して、本棚に並ぶ本を選んでみました。水族館で働くさくらはきっと海の生き物が好きなはずなのでベッドには魚のぬいぐるみがあって、手仕事が得意な美咲の近くには端切れ布やミシンなどがいつもあるのではないか、などです」とそれぞれの“好き”をヒントに世界観を作り上げていったと明かす。

 清原演じるさくらの誕生日の朝、背比べをするシーンで印象的な柱にはあるエピソードが。元々、佐久嶋が描いたデザイン画にはリビングの真ん中に柱があり、構想段階から柱に3人が背比べをした印をつけようと思っていたとのこと。まだ誰にも伝えていなかったそうが、脚本の中に3人が身長を図って柱に印をつけるシーンを発見し、坂元との思わぬシンクロに驚いたという。

 部屋と同じく、3人の生活を彩る大事なエッセンスになっている衣装を担当した立花文乃が最初に考えたのは、色のイメージだという。3人が集まった時に浮かび出る色のイメージについて「何となくですが、揺るぎのない赤と消えてしまいそうな青、という感覚がありました」と話す通り、3人のパジャマや普段着には赤と青が印象的に使われている。

 イメージ画の作成から着手したという立花の頭に浮かんだのは、12年間を3人だけで生きてきた彼女たちの“チーム感”だったそう。「それぞれに個性がありながらもおそろい感があるような、そんなチーム感がほしいと思いました」と語る立花が描いたイメージ画には杉咲演じる優花が身につけているベストに似たアーガイル柄を中心に、個性豊かな服を身につける美咲、優花、さくらの姿が描かれている。

 優しい色合いの赤と青の色彩の中に刺繍やパッチワーク、つぎはぎなどが施されており、同じじゃないけど確かにつながっている、3人の強い絆が衣装でも表現されている。

 イメージ画にもあるとおり、3人の衣装には、必ずどこかに手作り要素も取り入れられている。立花は「監督とは、彼女たちなりに生活を楽しんでいる感じが現れるといいんじゃないかと話しました。特に美咲は手仕事が得意で、自分だけでなくほかの2人の洋服にも刺繍を施したりしているだろうと」と、劇中では工夫しながらも唯一無二の着こなしを楽しむ3人の姿を見ることができる。

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