映画『遠い山なみの光』(2025年夏公開)広瀬すず、二階堂ふみが出演 (C)『遠い山なみの光』製作委員会 俳優の広瀬すずが主演する、石川慶監督の映画『遠い山なみの光』(夏公開予定)が、フランスで開催される「第78回カンヌ国際映画祭」の「ある視点」部門に選出され、ワールドプレミアを迎えることが明らかになった。石川慶監督作品がカンヌ国際映画祭に選出されるのは初めて。広瀬は2015年に参加した是枝裕和監督作『海街diary』以来2度目、二階堂ふみは初参加となる。
【画像】凛としたイメージの悦子(広瀬すず)とモダンな佐知子(二階堂ふみ)の1ショット 「第78回カンヌ国際映画祭」は、審査員長に『ポンヌフの恋人』『イングリッシュ・ペイシェント』『トスカーナの贋作』などで知られるフランスの名優ジュリエット・ビノシュを迎え、現地時間5月13日〜24日に開催される。ベネチア国際映画祭(イタリア)、ベルリン国際映画祭(ドイツ)と並ぶ世界3大映画祭として知られている。
本作あh、2017年にノーベル文学賞を受賞し、「日の名残り」「わたしを離さないで」など、映画化作品でも非常に高い評価を受ける作家カズオ・イシグロが、1982年に綴り、王立文学協会賞を受賞した長編小説デビュー作品「遠い山なみの光」が原作。カズオ・イシグロ氏は、1994年にクリント・イーストウッドやカトリーヌ・ドヌーヴらと共にコンペティション部門の審査員を務めているが、出品者側として参加するのは初。
自身の出生地長崎を舞台として繰り広げられる本作は、戦後間もない1950年代の長崎、そして1980年代のイギリスという、時代と場所を超えて交錯する“記憶”の秘密を紐解いていくヒューマンミステリー作品となっている。
監督を務めるのは石川慶。カズオ・イシグロも大ファンだという『ある男』(22)は、長編デビュー作『愚行録』(17)以来再びヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門にてワールドプレミアを迎え、第46回日本アカデミー賞では最多13部門でノミネート、最優秀作品賞を含む最多8部門受賞という快挙を達成し、国内外で高く評価された。本作が『ある男』以来3年ぶりの映画作品。
近年の日本映画のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門への出品作としては『あん』(15年、河瀬直美)、『海よりもまだ深く』(16年、是枝裕和)、『PLAN 75』(22年、早川千絵)、『ぼくのお日さま』(24年、奥山大史)などがある。映画祭の正式上映(上映日未定)にあわせて、石川監督に加え、広瀬すず、二階堂ふみの渡航は調整中となっている。
■監督:石川慶のコメント
一報を聞いて、まずは心からホッとしました。正直な気持ちです。この歓びは、これから映画祭に向けて少しずつ実感が湧いてくるのだと思います。キャスト、スタッフ、関係者の皆さま、長崎の方々、そしてカズオ・イシグロさんに、心から感謝いたします。本当にたくさんの人の思いが込められた作品です。その思いが、カンヌを通して世界中に届きますように。
■広瀬すずのコメント
素直にとっても、うれしく光栄に思います。ゾクゾク不穏な空気が漂っていて、その作品の空気にちゃんとのまれながら日々お芝居を楽しませてもらった現場でした。まだ私も完成を観れていませんが、監督たちと、この喜び、幸福感を共有できること、何より嬉しいです。
■二階堂ふみ のコメント
この作品が日本に留まらず世界の方々に観て頂けること、とても嬉しく思います。あの時代と今を繋ぐ、素晴らしい作品です。情熱を注いだ石川監督、全てのスタッフの方々へ、おめでとうございます!