2階LDK=-東京都新宿区・小野邸-(C)テレビ朝日 俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜、前4:25)12日放送では、東京・新宿区に建てられた鉄筋コンクリート造の小野邸を訪問。極細の格子梁が支える3層構造と、無柱空間のLDKを備えた先進的な住宅を紹介する。
【写真多数掲載】2階LDK=-東京都新宿区・小野邸- 建物は東西に細長い敷地に建ち、地下1階・地上2階建て。外壁は断熱性を高めるため、ガルバリウム鋼板で覆われている。特徴的なのは、高さを抑えながらも3層構造を実現する極細の格子梁。梁の間に床板をはめ込む独自の工法により、無柱の広い空間が生まれている。南側の高窓からは自然光が差し込み、開放感のあるLDKを演出している。
2階LDKには、北面の壁内に冷温水パイプを設置。冬は温水、夏は冷水を通し、コンクリートの蓄熱性を活かした輻射式冷暖房が建物全体を包み込むように温度を調節する仕組みとなっている。
1階は高齢の父との同居を見据えたバリアフリー設計。玄関から個室まで段差のないフラットな床に、全ての建具を引き戸としたことで、将来の車椅子生活にも対応可能だ。トイレ、洗面所、浴室も引き戸による開放的な設計とし、介護のしやすさを考慮している。また、地階は多目的に使える第2のリビング的空間。寒さを想定して設置されたバイオエタノール暖炉も、実は想像以上に暖かくほとんど出番が無かったという。家族の将来を見据えた設計と、コンクリート構造の新しい可能性を提示する住宅に注目だ。
竣工:2024年1月
敷地面積:55.8平方メートル(16.9坪)
建築面積:37.9平方メートル(11.5坪)
延床面積:100.7平方メートル(30.5坪)
構造:鉄筋コンクリート造
設計:池原靖史/池原靖史建築設計事務所 + 冨山正幸/トミ設計室