『遠い山なみの光』©2025 A Pale View of HIlls Film Partners広瀬すず主演映画『遠い山なみの光』に、吉田羊、松下洸平、三浦友和が出演することが明らかに。第87回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出され、正式出品が決定し、特報映像も公開された。
本作は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロのデビュー作の映像化。石川慶監督作品が、カンヌ国際映画祭に選出されるのは初めてとなり、カズオ・イシグロも、コンペティション部門の審査員を務めたが、出品者側として参加するのは初だ。
今回追加キャストとして、長崎を離れイギリスで暮らす1980年代の悦子役で吉田羊、悦子の夫で傷痍軍人の二郎を松下洸平、二郎の父でかつては悦子が勤務していた学校の校長・緒方を三浦友和が演じ、ほかにも日本パートで、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜が出演する。
本作で吉田は、ほぼ全編英語での演技に初挑戦。撮影直前に単身イギリスへ短期留学、現地でのホームステイで磨きをかけた流暢な英語を劇中で披露。
今回、広瀬演じる悦子の約30年後を演じた吉田は、「全編ブリティッシュアクセントの英語台詞は母国語でないもどかしさもありましたが、その不自由さと、言語に向き合った時間がそのまま知らず悦子の血肉になっていたと実感できたことは得難い経験でした。撮影現場では、石川監督と一体となり、複雑に交差する強さと弱さの中に浮かび上がる悦子の本心を手繰り寄せるような日々。それは途方もないようで、優しい作業でした」とふり返る。
そして、「また今回、カンヌ国際映画祭への正式出品が決まったという報せを聞きとても嬉しく、この先、日本が誇る石川監督の作品が世界中の映画館でかけられる姿を想像しては今から昂揚しています」とコメントを寄せた。
初の映像となった特報では、「私がついた嘘」という言葉と共に、広瀬が演じる1950年代長崎の悦子、謎多き女性・佐知子(二階堂ふみ)、吉田が演じるイギリスで暮らす1980年代の悦子らの顔が映し出される。
80年代イギリスで、悦子の娘・ニキの「なぜイギリスに?」という問いかけに対し、悦子は「パパと出会ったからよ」とあしらうが、娘は「嘘」と鋭く切り返す。
意味深なシーンの断片とともに現れる「彼女たちの、あの夏の記憶」という言葉が、時代と場所を超え交錯する“記憶”の秘密を紐解いていく物語を予感させる、ミステリアスな仕上がりとなっている。
さらに、80年代の悦子が遠くを見つめる姿、50年代の悦子が暖簾の前で佇む姿、佐知子のモダンなファッションが映える場面写真も到着した。
カンヌ映画祭出品について コメント
石川慶監督
一報を聞いて、まずは心からホッとしました。正直な気持ちです。
この歓びは、これから映画祭に向けて少しずつ実感が湧いてくるのだと思います。
キャスト、スタッフ、関係者の皆さま、長崎の方々、そしてカズオ・イシグロさんに、心から感謝いたします。
本当にたくさんの人の思いが込められた作品です。
その思いが、カンヌを通して世界中に届きますように。
広瀬すず
素直にとっても、嬉しく光栄に思います。ゾクゾク不穏な空気が漂っていて、その作品の空気にちゃんとのまれながら日々お芝居を楽しませてもらった現場でした。まだ私も完成を観れていませんが、監督たちと、この喜び、幸福感を共有できること、何より嬉しいです。
二階堂ふみ
この作品が日本に留まらず世界の方々に観て頂けること、とても嬉しく思います。
あの時代と今を繋ぐ、素晴らしい作品です。情熱を注いだ石川監督、全てのスタッフの方々へ、おめでとうございます!
『遠い山なみの光』は9月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)