
【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。
今回ピックアップするのは映画『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(2025年4月11日公開)です。
2001年に第1作目『ブリジット・ジョーンズの日記』が公開され世界的にヒット。2004年に第2作『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなワタシの12か月』が公開され、2016年に『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』、そして本作はついにシリーズ最終章です。第1作目から見てきたけれど、最終章、サイコーでした!
では物語からご紹介しましょう。
【物語】
夫である弁護士のマーク(コリン・ファースさん)を4年前に亡くしたブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガーさん)は、2人の子どもを育てるシングルマザー。
|
|
いつまでもクヨクヨしていられないとテレビ局の仕事に復帰。人生が動き始めたら、なんと公園で知り合った29歳青年と意気投合。同時に息子の学校の理科教師(キウェテル・イジョフォーさん)の優しさを知り、距離を縮めていくけれど……。
【ブリジット・ジョーンズの集大成】
第1作目の『ブリジット・ジョーンズの日記』ではアラサー女子。お酒が大好きで喫煙もするし、自由に生きているように見えるけれど、彼氏(しかも上司!)に浮気されたり、好きになった人に誤解されたり、なかなか恋愛がうまくいかない。そんな人生にもがき続けるブリジットに世界中の女子が大共感しました。
そして本作は、結婚、出産を経て得た幸福を夫の死で失った彼女が、自分の人生を取り戻すまでの物語。
30代のときからブリジットを演じてきたレネーさんは、集大成である本作で、ブリジットをとても楽しそうに愛情を込めて演じています。その愛がスクリーンを通して伝わってくるんです。
【ブリジット・ジョーンズはみんなの大親友】
失敗してはお酒でウサを晴らしたり、反省したりしながら、必死に生きてきたブリジットが、シングルマザーになって、また悩みまくりジタバタしながら人生を歩んでいる……と思ったら、いつの間にか涙が……。
|
|
第一作目からブリジットを見てきて、彼女と一緒に楽しんだり、悲しんたり、悔しがったりしてきたから、人ごとだと思えないというか、親友みたいな気持ちで見てしまうんです。また今回もブリジットの身にいろんなことが起こるんで目が離せない。その人生はまさにカオス!
【ブリジットの愛される力】
息子の学校の厳しい先生との出会い、公園で知り合った29歳の年下青年とのラブ、ママ友との確執、仕事復帰……。盛りだくさんの内容でハラハラするのですが、ところどころにシリーズお馴染みのメンバーが顔を出してくれるのでホッとします。
回想で夫のマークも登場するし、元カレのダニエル(ヒュー・グラントさん)も腐れ縁の親友みたいな立場でサポートしてくれるし、頼れる産婦人科医(エマ・トンプソンさん)さんも産婦人科なのに心療内科の先生のようにブリジットの心を明るく癒してくれます。
ほか、シリーズに登場した友だちもちょいちょい顔だしてくれて、ブリジットは愛されてきたんだな〜と思い、また涙……。
【中年になって楽しくもがき続ける!】
ブリジットの人生は決して順風満帆じゃない。むしろ逆なんですが、しっかり落ち込んで、暴れて、愚痴って、もう一度立ち上がる彼女の生き方が良き。何事もカラッと描いているし、登場人物もチャーミングだし、映画のトーンが全てブリジットの性質を映し出しているから基本的にコミカルで明るい。だからこそ見ているこちらも「頑張ろう」と思えるんです。
|
|
過去のシリーズ見ていなくても、楽しめるのではないかと。そして気に入ったらシリーズ1から見ていくのがいいかもしれません。
“ブリジット・ジョーンズ” の集大成、ぜひスクリーンで楽しんでください!
執筆:斎藤 香(c )Pouch
『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』
2025年4月11日より全国ロードショー
出演:レネー・ゼルウィガー、キウェテル・イジョフォー、レオ・ウッドール、コリン・ファース、ヒュー・グラントほか
監督:マイケル・モリス
脚本:ヘレン・フィールディング、ダン・メイザー、アビ・モーガン