『あんぱん』北村匠海、役作りで「水抜き」 戦争シーンへの熱量「飢えを経験しないと説得力が生まれない」

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2025年04月12日 08:15  ORICON NEWS

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松嶋菜々子 (C)ORICON NewS inc.
 2025年度前期の連続テレビ小説『あんぱん』(月〜土 前8:00 NHK総合 ※土曜日は1週間の振り返り/月〜金 前 7:30 NHK BS、BSプレミアム4K)。今回は、ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)の夫となる柳井嵩役の北村匠海にインタビュー。朝ドラ初出演の心境や真正面から挑んでいる戦争シーンに込めた思いなどを語ってくれた。

【写真】過酷な減量で役作りをした北村匠海

 中園ミホ氏が手掛ける第112作目の連続テレビ小説は、アンパンマンを生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに描く。生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかったヒロイン・朝田のぶ(今田)と柳井嵩(北村)の人生。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどり着くまでの道のりを通じて、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語を届ける。

 北村演じる柳井嵩は、幼少期に新聞社の特派員だった父を亡くして伯父の家に引き取られ、転校先の学校でのぶに出会う。若い頃から漫画や絵を愛した。製薬会社の宣伝部に就職するも、徴兵され戦争に出征することになる。戦後、高知の新聞社でのぶと再会する。のぶを追って上京後、百貨店の宣伝部での勤務を経て、のぶの後押しもあり思いきって漫画家として独立し、さまざまな活動をしていくようになる。

 着実にキャリアを築いてきた北村が満を持して朝ドラに出演する。放送前のタイミングで取材に応じた北村は「朝ドラというのは、会社だったり、学校だったり、家庭だったり。いろいろな朝を支える、彩るものだと思っています。役者だったら朝ドラや大河ドラマは、役者人生の指標となるもの」とリスペクトの思いをにじませながら「オファーをいただいたときは、ビックリしました。自分がいいのだろうか?務まるだろうか?という不安はありました」と素直な胸の内を明かした。

 それでもオファー当初、制作陣から「『自分(北村)の考え方とやなせさんの哲学がハマって、あなたしかいませんでした』と理由を聞いて、そんなにハッキリと信頼を寄せてくださったことが一番心を打たれました」と感銘を受けて快諾したという。

 撮影を進めるなかで不安感は払拭され、キャスト・スタッフが一丸となって作品づくりに没頭できていると話した北村。今田とは、映画『東京リベンジャーズ』など共演歴が深く、今作で“6度目の共演”になる。「今だからこそちゃんと伝えなきゃいけないメッセージがたくさんある。『あんぱん』という温かさを持っているドラマだからこそ、普遍的に伝わるメッセージが必ずあると思っていて、そのきっかけを僕に任せていただいたならば、精一杯やらせてもらいたいなという気持ちでいます」と決意を新たに語った。

 また、作品中盤に描かれる戦争シーンには、並々ならぬ思いで真っ向から撮影に挑んでいる。シーンを重ねて「改めて戦争というものは悪だなと思いましたね」と切り出した北村は「演じている僕らの中に戦争のつらさがリアルに漂っています。全てのシーンが大変です」と正直に話してくれた。

 役作りに関しては、演技面はもちろんのこと、戦前・戦中・戦後の体型作りも徹底している。「戦争シーンの最中は、8キロくらい走って、お風呂に入って、汗を抜いて、撮影でもう乾パンが一個しかないというシーンに挑む…という日々を送っていました」といい「最終的には水も抜きました」と告白。「絵としてどう映るかというよりも自分たちのメンタリティの問題。飢えを経験したかったし、そういう中でやらないと説得力が生まれない」と自身の役者論に基づいて、真摯に役と向き合っている。

 そんな過酷な撮影を経て「今も自衛隊に行かれていて、日本を自衛するために働いている方もたくさんいらっしゃる。尊敬を抱きました」とも。強い使命感を持って作品に臨んでいる北村は「僕はこの時代だからこそ、しっかり描かなければいけない。その機会をいただけたので身を粉にしてやっております」と言葉に力を込めた。

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