渡辺翔太instagramより 誰の目にも耳にもわかるようにクリアな口癖の観点から語る、Snow Man 渡辺翔太の魅力が確実にある。彼特有の言語世界、フランクなその言い回し表現を人懐こくタグ付けしてくれるかのようだ。
高校時代の同級生として知られる指原莉乃とのバラエティー番組でも、どうやらこの口癖が重要な役割を担うかも(?)。多くの視聴者にとびきりのときめきを供給した主演ドラマ『青島くんはいじわる』(テレビ朝日系、2024年)以来のドラマ出演作となる『なんで私が神説教』(日本テレビ系、4月12日よる9時から放送開始)にも自然と期待は高まる。
男性俳優の演技を独自視点で分析するコラムニスト・加賀谷健が、リアル同級生コンビによるバラエティー番組と新ドラマ出演に期待を込め、怒涛の情報解禁ラッシュ中の渡辺翔太を解説する。
◆情報解禁が怒涛過ぎる渡辺翔太
2025年にデビュー5周年を迎えるSnow Manのベスト盤『THE BEST 2020-2025』が、4月7日0時にサブスク解禁された。待望の瞬間である。渡辺翔太ファンを公言するぼくからすると、昨年放送された主演ドラマ『青島くんはいじわる』から、とびきりキュートでリスナー誰もがチャームされる主題歌「君は僕のもの」を常にイヤホンで聴くことができる嬉しさであふれている。
先駆けて3月16日、亀梨和也主演ホラー映画『事故物件 恐い間取り』(2020年)の続編『事故物件ゾク 恐い間取り』で、渡辺が映画単独初主演することが情報解禁された。4月12日から放送される広瀬アリス主演ドラマ『なんで私が神説教』にも出演予定。
あるいはまた、指原莉乃とのコンビで全4話の検証バラエティー番組『3年C組 指原×翔太』(Prime Video)が4月17日から配信予定であり、番組キービジュアルがすでに公開されている。いやぁちょっと待ってくれ。我らがしょっぴー(渡辺翔太の愛称)、ここ最近の情報解禁が怒涛過ぎるって……。
◆リアル同級生コンビの弱点克服番組
この怒涛に快く飲み込まれるぼくらが、思わずもらしたくなる一言がある。それは、渡辺の口癖のひとつ「エグいて」だ。これは「エグい」と「て」を語感的に組み合わせた表現だが、Snow Man冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系、略称:『それスノ』)で頻出するワードであることはもちろん、渡辺の公式Instagramストーリーでもよく目にする。
動画像と文字で作成されるストーリー上では、「エグいて」の語尾を拡張した「エグい亭」と表記されることが多い。渡辺翔太ファンの間では広く流通するこのしょっぴー語は、キービジュアルとともに解禁された『3年C組 指原×翔太』本予告でも目にでき、耳にできる。
本予告終盤、女性共演者を前にする渡辺が、まろやかに強ばらせた(字幕付き)「エグいて」をクリアに発音。いったい、どんな「エグいて」場面が描かれるのだろう? 渡辺とは高校時代に同じクラスの隣席になったこともある指原とのリアル同級生コンビによる、弱点克服がコンセプトである番組の配信まで期待が高まる。
◆歌い手らしい美メロ型の口癖
他にも愛すべき口癖がある。2024年10月30日に放送された『週刊ナイナイミュージック』(フジテレビ系)で、より一般的に広く知られるようになったのが、歌い手としての渡辺の魅力が込められる「うわっ」である。
同番組では、「Snow Manのかわいらしい所」というコーナーが組まれた。渡辺パートのタイトルが「食レポのレパートリー『うわっ』しかないのがかわいらしい」。Snow Man公式YouTubeチャンネルで公開されている「Snow Man【ミシュランの名店】極上の焼き鳥をいただこう」から、焼き鳥を食べてひたすら「うわっ」を連呼する渡辺の食レポ映像が紹介された。
この引用映像を足掛かりに、他のYouTube動画やバラエティー番組出演を色々ディグると、もうとにかく「うわっ」ばかり口にしていることがわかる。これは確かに渡辺の口癖ではあるのだが、一方で単なる口癖の域を超えている。よく耳を澄ませたらわかる。実は毎回微妙に音色が異なる。たかが口癖ではない。渡辺翔太の「うわっ」は、歌い手らしい美メロの音型を構築している口癖なのだ。
◆「うわっ」からぼやきまでタグ付けする才能
さらにこの「うわっ」は、食レポ以外のシチュエーションでもしっかり確認できる。例えば、『それスノ』で渡辺が担当する霊薬探し旅企画。美容仲間・Mattを相棒に、各地で幻の食材を探索する。
その第2弾(2024年1月19日放送回)の舞台は沖縄。美しい海を背景にしたオープニングあと、住宅街に入る。第一村人発見みたいなテンションで渡辺がさりげない「うわっ」を発する。
3つ目の食材「ノコギリガザミ」探索では、ロケ終了時間ぎりぎりまで難航する。根っからのビビリである渡辺の絶叫リアクションが、夜のマングローブ林に響く。疲労困憊する渡辺がふともらす。「ドラマなの明日」。「ドラマ」とは、連ドラ初単独主演作『先生さようなら』(日本テレビ系、2024年)のことである。
渡辺翔太には、食レポ以外の「うわっ」から疲労のぼやきまで、すべてを美メロ的にタグ付けしてしまう、フランクで人懐こい才能がある。
◆教師役を演じる新ドラマに期待
さすがに主演ドラマでは俳優として「うわっ」を発するわけではない。でもその代わり、例えば『青島くんはいじわる』で渡辺演じるタイトルロール・青島瑞樹が、ラブコメに相応しいさわやかな運動感を画面上に導入するとき、ここぞというタイミングで、Snow Manによる主題歌「君は僕のもの」がかかる。
毎話のクライマックスを盛り上げる同曲を聴いて、毎回飽きずに小躍りしてしまう。『先生さようなら』でも渡辺の演技とその存在の色っぽさが極まる瞬間、主題歌「We’ll go together」が、あざやかな色合いをそそと加えていた。
同作で渡辺が演じたのが、美術教師。今度の新ドラマ『なんで私が神説教』で演じるのが、数学教師。同じ教師役を演じ重ねることで、俳優としての渡辺翔太の魅力がくっきり浮かび、演技の解像度は上がる。
それを期待するぼくらは、ドラマ第1話で数学教師役の渡辺が初登場する瞬間を見て、たぶんこう連呼するしかない。うわっ、エグい亭。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu