【インタビュー】新浜レオン「本当の実力が試される年になる」 『紅白』初出場後の意欲と重圧

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2025年04月16日 11:00  ORICON NEWS

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7thシングル「Fun! Fun! Fun!/炎のkiss」をリリースした新浜レオン
 昨年大みそかに念願だった『NHK紅白歌合戦』への初出場を果たし、勢いに乗る新浜レオンが、4月16日に7thシングル「Fun! Fun! Fun!/炎のkiss」をリリースした。「Fun! Fun! Fun!」は読売テレビ・日本テレビ系アニメ『名探偵コナン』の新エンディングテーマ曲として書き下ろされたハッピーオーラ全開のダンスソング。一方、「炎のkiss」は『紅白』出場曲となった「全てあげよう」に続く、木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞作曲による黄金コラボの第2弾。これまで自身が築き上げて来た個性を満載した2曲で、さらなる高みを目指して邁進する新浜に、現在の心境を聞いた。

【画像】新浜レオンが名探偵コナンの“少年探偵団”とコラボ!

■「新浜レオンらしさを」とラブコールを受けた『名探偵コナン』のエンディングテーマ曲

 海外でも高い人気を誇る人気アニメ『名探偵コナン』。新浜がそのエンディングテーマ曲を歌うことになったのは、『名探偵コナン』のプロデューサーからのラブコールがきっかけだった。

 新エンディングテーマを制作するにあたり、プロデューサーは、“少年探偵団×ダンス”をテーマに、モーションキャプチャーを使ってコナンたち少年探偵団がかわいく滑らかに踊る映像を作り、みんなで歌って踊れるダンスソングにしたいと考えたという。そこで、スピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のオープニング主題歌となった22年発売の5thシングル「捕まえて、今夜。」で“窓拭きダンス”をバズらせ、TikTokの総再生数1億回を突破した新浜に白羽の矢を立てたのだ。

 「コナンチームの皆さんからは、『捕まえて、今夜。』のような新浜レオンらしさを出してほしいと言っていただき、非常にうれしかったです。K-POP風のカッコいいテイストや、ギラギラした感じの歌謡曲テイストなど、何曲かバラエティ豊かな候補曲を作り、その中で選ばれたのがハッピーオーラ全開の『Fun! Fun! Fun!』でした。歌唱にあたっては、『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマ曲となった西城秀樹さんの『走れ正直者』のように、子どもも楽しめる楽曲ながらカッコイイ、そんな雰囲気を作りたいと考えました」

 「捕まえて、今夜。」でダンス動画をバズらせたように、本作でも、年齢や性別、国籍を問わず、大勢の人にダンスを踊ってもらうべく、SNSでの展開も構想中だ。

 「昨年末、『紅白』に出演した際、こっちのけんとさんとご縁をいただきまして、同い年でラッキーカラーもグリーンと共通点がいっぱいあることから、意気投合しました。それ以来お互いのラジオ番組に出るなど、親しくさせていただいています。SNSでバズることに関しては、けんとさんは総再生回数150億超えの大ヒットを記録している方なので、相談させてもらおうかなとも考えています(笑)」

■大きなチャンスをもらったからこそ、身が引き締まる思い

 昨年末、念願だった『紅白』に初出場し、ステップアップを果たした新浜。1段上がったステージで、新たな一歩となる勝負曲を完成させ意欲を見せるが、その一方で、プレッシャーも感じているようだ。

 「『捕まえて、今夜。』は、『名探偵コナン』のスピンオフ作品のオープニング主題歌でしたが、今回の『Fun! Fun! Fun!』は、『名探偵コナン』のエンディングテーマ曲。喜びもひとしおであることはもちろんですが、人気アニメの主題歌だから売れるわけではないと思っています。大きいチャンスをもらった時こそ、絶対にそれを活かして、期待以上のことを成し遂げなければ意味がないと思うので、今はより身が引き締まる思いです」

 それは、初出場を果たした『紅白』でも感じたことだった。

 「演歌歌謡では純烈さん以降、誰が『紅白』に初出場できるのかと注目を集める中、僕自身そこを目指して6年間やってきて、昨年、念願がかなってその舞台に立つことができました。うれしさや緊張はもちろんありましたけど、それ以上にエンディングでステージに並ぶ出場者の皆さんの顔ぶれを見た時に、自分は演歌歌謡の中だけでなく、日本の音楽界全体の中で今後は戦っていかなければいけないんだと強く実感しました。『紅白』に出演したことで今年は本当の実力が試される年になると思いますし、デビュー前からの目標である“大好きな演歌歌謡を知らない人にも届ける”という僕のテーマをより強く意識するようになりました」

 そんな自身の歩みにおいて、道しるべとしているのは、子どもの頃から敬愛してやまない西城秀樹さんの背中だ。今も暇さえあれば映像を観て、歌を聴いているという新浜。ライブなどでカバー曲を歌う時はもちろん、オリジナル曲を初めて歌唱する際にも「秀樹さんだったらどうやって歌うかなと考える」という。

 「最近はとくに今の僕と同い年の頃の秀樹さんの映像をすごく意識して観るようにしています。これまでは憧れだけでしたが、憧れている場合じゃないなって。むしろ秀樹さんは僕と同い年でこの感じを出して歌えているんだと思うと、自分の未熟さを突き付けられるような悔しい気持ちにもなってくるんです。観るたびに、『こんなふうに歌ってみろ』って秀樹さんに言われているような気がします」

 今回、カップリング曲として収録されている「炎のkiss」は、西城秀樹さんが築いた歌謡ロックを令和の時代によみがえらせた木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞作曲による“スター系歌謡ロック”の第2弾。新浜は天真爛漫な雰囲気の「Fun! Fun! Fun!」から一転、トレードカラーの緑色にコーティングされたマイクスタンドを背負い投げしたり、振り回したりしながら歌唱するセクシーな姿を見せている。

■初の単独コンサートツアーへ 目指すは演歌歌謡界の大リーガー

 さらに今年は4月26日の北海道を皮切りに、全国8ヶ所を回る初の単独コンサートツアーを行う。「各地でご当地ソングを取り入れるなど趣向を凝らすつもりですが、特に秀樹さんの故郷である広島では秀樹さんのメドレーを多めにして、思いっきり秀樹愛を出したいと思っています」と意欲を語る一方で、「その先に続く大切な一歩になる」と強く厳しいまなざしで決意を語る。

 「来年以降も単独コンサートツアーを恒例にしたいですし、その先は、エリアを増やし規模を大きくして、デビュー10周年のタイミングで甲子園への夢破れた千葉マリンスタジアムでのコンサートを実現させたいと思っているので、その大切なスタートとなる今年の初のソロコンサートツアーは必ず成功させなければと思っています」

 子どもの頃から野球に熱中し、高校3年で甲子園出場の夢を断たれてから歌手の道に進んだ新浜。その経験から、自身の目標を常に野球に例えて掲げ、歩んでいるという。

 「例えば、『紅白』の切符は甲子園出場でした。僕の後ろには千葉県の169校がいるのと同じように、出たくても出られなかった演歌歌謡の歌手の皆さんがいて、その想いを背負っているのだから恥ずかしいパフォーマンスはできないし、絶対初戦を突破したいと考えました。そして1回戦を戦い終えた今、『日本レコード大賞受賞』や、海外でコンサートがしたいなど、歌手として目指す夢はたくさんありますが、それらを常に野球に例えて2回戦突破、3回戦突破、全国選抜に選ばれてプロ野球選手になって大リーグに挑戦してと、歌手としての目標を定めています。明確な目標があるからこそ、やりがいを感じるし、途絶えない夢に向かって進んでいられる自分に幸せを感じています」

 2年後には30歳を迎える。野球選手になぞらえれば脂の乗り切った年齢だ。「最高の30代を迎えられるか、悔しい気持ちで30代を迎えるか、そこにつながる大切な時期」と決意を語る新浜が、2回戦、3回戦と壁を突破して、演歌歌謡界の“大谷翔平”になる日を楽しみに待ちたい。

文・河上いつ子

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