4月13日、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158の国と地域が参加するEXPO 2025 大阪・関西万博が大阪市の人工島・夢洲で開幕した。
11万9000人が来場した発表されている開幕初日に、問題が露呈した。
「会場の東ゲートではネットに繋がりにくくなる通信障害が発生したそうです。“並ばない万博”を掲げていたものの、QRコードをスマートフォンで表示できず、一部の利用客が長時間入場できない状態に陥っていたといいます。
また会場には午後から冷たい雨が降り注ぎましたが、大部分が屋外であるため、雨風をしのげる場所が少なく来場者はずぶ濡れに。今回の万博のシンボルである大屋根リングは内側12メートル・外側20メートルの高さがあるため、横からの吹込みに弱く、雨を防ぐには心もとなかったといいます。
SNS上では《雨で寒すぎた》などの声が多数上がっていました」(全国紙社会部記者)
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室内スペースの少なさが問題となったが、これは夏も変わらない。前出の全国紙社会部記者が続ける。
「夏の暑さ対策として、博覧会協会は環境省の熱中症対策ガイドラインに基づいて来場者に注意喚起。さらに遮熱アスファルトの導入や、無料の給水スポットの設置、シェードを設置しての日陰の創出などの対策を取っています。体調を崩した人は会場内の医療救護施設で対応することになっているそうです。
ただ万博は4月13日〜10月13日の184日間開催されますが、`24年の大阪の同じ期間では半数の92日で30度をこえる真夏日でした。対策をとっているとはいえ、不安が残ります」
そこで本誌記者が万博会場を訪れてみた。会場の大部分は屋外で、シンボルである大屋根リングの上には日差しを遮る屋根はない。大屋根リングの下にはベンチがたくさん置かれていて、夏場は大屋根リングにシェードを張り、このベンチを利用して日陰で休めるということなのだろう。
しかし、肝心の冷房のきいた屋内の休憩できる場所は、ほとんどなく、会場内に数か所ある案内所のベンチぐらい。
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100人を超える規模の団体で利用できるような休憩所は 広い会場にたった一箇所あるだけで、夏場には涼を求める人たちで会場が溢れかえるのは目にみえている。
暑さ対策を不安視して、来場を辞める動きもあるようだ。大阪府吹田市の学校関係者がこう証言する。
「大阪府内の小中高学生らを学校単位で無料招待されていますが、私の学校は熱中症対策が十分ではないという考えから辞退しました。
例えば、昼食をとる場所です。冷房がきいた室内が理想ですが、博覧会協会に尋ねたところ《屋根のある屋外》という解答でした。真夏の大阪の暑さを考えると、屋根のある日陰であっても屋外は危険です。ミストなどがあっても不十分です。
1月に大阪府の教育委員会は小中高校・特別支援学校の児童・生徒約88万人のうち、無料招待となる学校単位での来場希望は58万人だとの調査を発表しています。1/3の学校が不参加を表明したさまざまな理由があるのでしょうが、暑さ対策への不信もその一要因です」
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博覧会協会は夏が本格化する前に十分な対策を取ることができるのだろうかーー。
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