『ラストマイル』製作陣、藤本真澄賞を受賞「人と人との縁が繋いでくれた」

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2025年04月16日 18:44  ORICON NEWS

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藤本真澄賞を受賞した(左から)塚原あゆ子氏、新井順子氏、野木亜紀子氏 (C)ORICON NewS inc.
 『第44回藤本真澄賞』授賞式が16日、都内で行われ、映画『ラストマイル』の新井順子プロデューサー、脚本の野木亜紀子氏、塚原あゆ子監督が同賞を受賞し、登壇した。

【集合ショット】藤本真澄賞を受賞!ブラック衣装で登場した塚原あゆ子氏ら

 新井プロデューサーはまず「このような賞をいただきありがとうございます」と感謝を伝えた後、「こんな賞はなかなか取れないぞ、もう取ったのか!と言われました。すみません」とユーモアを交えあいさつ。「いま振り返ると、人と人との縁がつないでくれたと思います」とし、3人が集結して作品づくりをするまでを振り返った。

 さらに「長い長い道のりだったんですけど、あっという間だったなという感じがあります」とし、「(興行収入)59.6億というびっくりするような数字が出て、あともうとっとで60億だったなっていう気持ち」と本音を明かし、会場の笑いを誘った。「もっとどこかでやってくれないかなと思いながら、初めての作品でこんなゴールになってのは本当にここにいるお二人と、今まで支えてくれた皆さんのおかげだと思います」としみじみ語った。

 野木は「私にとっても『ラストマイル』は大切な作品になりました。日本映画というものが私はすごく好きなんですが、劇場離れですとか、長いものが観られないとか、動画の時代ではあるんですけれども、私は全然まだそんなことないと思っていて。ちゃんと観てもらえる。楽しんでもらえる。そして劇場に足を運んでもらえるものが作れるんじゃないかなと思っています」と力強く伝え、「今後も頑張りたいと思います。ありがとうございました」と感謝の言葉で締めた。

 塚原は、故火野正平さんの「映画なんていっぱいやるもんじゃないぞ」という言葉と一連のエピソードを振り返り、涙を堪える場面も。最後には「火野さんが最後くださったお酒をいまでも大事にしていて、いい仕事ができたら、乾杯に飲もうと思っています」と明かした。

 受賞理由について主催は「2つの異なるテレビドラマ『アンナチュラル』『MIU404』の世界観をクロスさせたくシェアード・ユニバースをベースに、新たなオリジナルストーリーを作り上げた。また、現代消費社会の巨大物流システムを背景にとり、多彩な登場人物とドラマ構成により、社会問題を告発するばかりに留まらない多層的な社会派エンタテインメント作品に仕上げた。この特異な創造性が見事に結実し、観客の大きな支持を獲得したその功績に対して贈ります」としている。

 「藤本真澄賞」は、故・藤本真澄氏が生涯に渡って269本の映画を製作し、「社長」シリーズ、「若大将」シリーズなどの娯楽性にあふれた映画を製作する一方、成瀬巳喜男監督と組んだ文芸映画など、幅広いジャンルの映画を世に送り出し、永年日本映画の製作に対して多大なる貢献、実績を残した業績を記念するとともに、故人の念願であった日本映画産業の向上発展の一助となすべく、毎年、全国の劇場公開用として製作、一般に公開された映画の中で特に観客の多大な支持を受け、優れたエンターテイメント性を持った映画の製作者等を中心に表彰するもの。

■『第44回藤本真澄賞』受賞者
・藤本真澄賞:映画『ラストマイル』
新井順子氏(株式会社TBSスパークル)、野木亜紀子氏(脚本家)、塚原あゆ子氏(株式会社TBSスパークル)

・藤本真澄賞・特別賞:映画『ルックバック』
押山清高氏(ドリアン)、大山良氏(エイベックス・アニメーションレーベルズ)

・藤本真澄賞・奨励賞:映画『侍タイムスリッパー』
安田淳一氏(未来映画社)

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