石破首相、27日から東南アジア歴訪=安保能力支援をベトナムに伝達―フィリピンと情報協定協議入りへ

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2025年04月17日 07:31  時事通信社

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時事通信社

首相官邸に入る石破茂首相=16日午前、東京・永田町
 石破茂首相は27〜30日の日程で、ベトナム、フィリピンの東南アジア2カ国を歴訪する。ベトナムでは防衛装備品などを同志国に無償で供与する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の対象国とする方針を伝達。フィリピンでは機密情報共有のための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結に向けた協議開始で合意する見通しだ。

 トランプ米政権による関税措置を受けて対米不信が各国に広がる中、中国は習近平国家主席がベトナムやマレーシアを訪問するなど、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と接近を図っている。日本としてもASEANとの協力を強化し、中国に対抗する狙いがある。

 首相はベトナムでトー・ラム共産党書記長ら最高幹部と会談。OSAを通じた支援を伝え、早ければ年度内に具体的な協力内容を盛り込んだ覚書を締結したい考えだ。日越両国が共同国家プロジェクトとしてハノイに設立した「日越大学」も訪問する。

 フィリピンではマルコス大統領と会談。GSOMIAに加え、燃料や弾薬の融通を可能にする物品役務相互提供協定(ACSA)締結に向けた交渉入りも申し合わせる見通しだ。

 フィリピン滞在中、首相はOSAで供与した沿岸監視レーダーシステムなどを視察し、日比両国の「準同盟」関係をアピール。太平洋戦争後に無国籍となった残留日本人2世と面会し、日本国籍取得への支援を伝達する方向で調整している。

 首相はASEANとの関係を重視しており、1月にはマレーシアとインドネシアを訪れた。 

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