「初めてちゃんとラブソングが書ける」flumpool・山村隆太が語った“愛の影”

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2025年04月17日 22:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

flumpoolの山村隆太 撮影/渡邉智裕

「ミステリアスで、ものすごく難しい役どころ。そして“黒川がどうしてそうなったのか?”という後半の人間味。すごく複雑で魅力的な役だったので、ぜひやりたいと思いました」

 と話すのは、4月10日にスタートした『MADDER その事件、ワタシが犯人です』に出演しているflumpoolのボーカル・山村隆太

登場人物の根底にある「はみ出し」

 高校生・茜(五百城茉央/乃木坂46)は偏差値78超。何事も完璧にこなせるがゆえに、興味を惹かれるものがない。そんな乾ききった日々を送る中、残忍な殺人事件が起きる。騒然とする現場で目撃したのは黒川悠(山村)。通う高校の出入り業者として再会すると、その犯罪のにおいに強烈に引きつけられていく……。

「起こっていく事件、張り巡らされたメッセージ。それがどんどんつながっていく爽快感。とても考察しがいがあると思います。僕もわからないものにすごく興味を惹かれるんですが、1話1話、本当に予想外でした(笑)」

 言葉の裏には意味があり、一挙手一投足に気が抜けなかったと撮影を振り返る。

「僕の個人的な感覚でいうと、枠の中で生きていてもそれを一歩はみ出してみれば、きっと素晴らしい世界はある。でも人の目を気にしたり、批判を恐れたりして抑制してしまう。黒川の狂った部分や、茜が人を試し、事件を起こしながら人とぶつかっていく姿の根っこには、対人関係からのはみ出しがあると思います。それをミステリーという謎解きの中で楽しんでもらいながら、心がほっこり……とはならないか(笑)。人生の面白味のようなものを感じてもらえたらいいなと思います」

「音楽と演技」二刀流と相互作用

 山村の連ドラ出演は、『突然ですが、明日結婚します』('17年)以来、8年ぶり。昨年は『風の奏の君へ』で映画初出演を果たした。今、演技への熱が高まっているのだろうか?

「人の心や人生を考えたり、理解したり、想像したり。それは100%はできない。でも、そこに対する姿勢はすごく大事にしたい。演技を通すことで、作っていく音楽にそういったものが表れることは多くて。だから、自分の中の新しい扉を開けてくれるものが演技なんですよね」

 例えば、愛。すごく温かいものだけど、現実に負けることもあれば、面倒くさくて窮屈なものでもあると語る。

「みんなどこかでそんな矛盾を持っているとしたら、それに陽を当てるものが演じることなんだと思う。“愛って素晴らしい”というひと言で終わらせない影の部分。それをちゃんと理解できたときに初めてちゃんとしたラブソングが書けるんじゃないかな」

 flumpoolとしては5年ぶりのフルアルバムを3月にリリース。5月にはZeppツアーが始まる。音楽活動と俳優活動の二刀流について聞いてみると、

「一刀流もちゃんとできていませんけど(笑)。

 ふたつのことをやっているような気もするけど、音楽も演技も根本は人を理解すること、想像することだと思うので。歌詞を書いていたら、やっぱり自分と向き合うし。価値観、過去、理想に及ばない現実。演じることも、やっぱりこの役が持つ理想と現実がある。そこへのアプローチは、そんなに変わらない気がしています」

40代、ここで自分は挑戦するべき

 1月に40歳を迎えている。

「40代っていうのはすごく大人なようで、やっぱり大人じゃないですね(笑)」

 今後、どんな自分自身でありたいと考えているのだろう?

「20代、30代と比べるとエネルギーが欠けていくような気がしたんですけど、“40代なんてまだまだ若かったね”っていう先輩方がすごく多くて。そうなると、ここで自分は挑戦をするべきだと思う。このドラマもそう。

 10年後、20年後……改めてこの年齢の持つ価値に気づくとしたら、先輩方の言葉を大切に、ちゃんと歌を軸に持ちながら、いろんなものにチャレンジしたいなと思っています」

『MADDER その事件、ワタシが犯人です』 毎週木曜深夜放送 (カンテレ0時15分〜/フジテレビ2時15分〜)(C)カンテレ

取材・文/池谷百合子

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