2025スーパーGT富士公式テスト 質問に答える大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT) 2025年、オートスポーツwebは前身のクラッシュネット・ジャパンから名称を変更してから20周年を迎えました。これもひとえに、読者の皆さまのご愛顧のおかげです。そこで、皆さまへの感謝の意味も込め、20周年特別記念連載をスタートさせます。題して『オートスポーツweb20周年企画 20の質問で丸わかり』です。かつて、AS+Fやオートスポーツ本誌で連載されていた『100の質問』を20周年記念版でリメイク。スーパーGT GT500ドライバーのプライベートを解き明かしていきます。
第3回は、Modulo Nakajima Racingの64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTに乗って2シーズン目に臨んでいる大草りき選手が登場です。これまで登場したなかでもっとも若手の大草選手、多趣味な私生活だけでなく、幼少期の甘酸っぱいエピソードも飛び出しました。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
Q1:よろしくお願いいたします。まずは大草選手の趣味はなんでしょうか?大草りき(以下、大草):僕はゲームが好きで、最近発売された(2025年2月28日)『モンスターハンターワイルズ』をひたすらやっています。ゲーム以外には、サウナも好きなのでよく行きます。
Q2:最近気になっている芸能人や有名人は?大草:うーん、芸能人は居ませんが、今は角田裕毅でしょう。今日本で一番熱い『ユウキ』じゃないですか?
Q3:では、好きな本や映画、音楽は?大草:子どもの頃から『ライオンキング』を観ていて、今も好きです。ディズニープラス(ディズニーが展開する定額制公式動画配信サービス)で、最新版『ライオンキング』のコンサートライブ映像を観て、かなり感動しました。
Q4:続いて、大草選手が行ってみたい場所はありますか?大草:ヨーロッパに行ってみたくて、とくにイタリアが気になっています。前に伊沢(拓也)さんとイタリアンに行ったときに、『(本場のイタリアンは)マジでレベルが違う。どこで食べても美味いから』と聞いて、すごく気になっています。あとは、ドイツのニュルブルクリンクとかも行ってみたいですね。
Q5:もし何か新しいスキルをひとつ身につけられるとしたら、何を学びたいですか?大草:歌うのが好きなので、人を感動させられるくらいに歌がうまくなりたいですね。──ライオンキングのコンサートのような?大草:いや、歌手のライブみたいな。お客さんが何万人もいる前で歌ってるじゃないですか。その人数を、自分が出す音で感動させられるって『すごいな』と思うので憧れてます。
Q6:休日もしくは暇な時間はどのように過ごすことが多いですか?大草:最近カメラを始めたので、カメラを持って出かけたりとかするのが趣味ですね。──ドライバーの間でカメラブームが来てる?大草:牧野選手とかも、確かにそうですね(笑)。でも、意外と写真のスタイルが違ったりするんですよ。──どのような違いが?大草:牧野選手は、手前に物を入れることが多い感じがしますね(前ボケと呼ばれる写真テクニック)。でも、僕はそういった撮り方はあまりしなくて、なるべく目で見たままのような写真を撮るようにしています。
Q7:人生で一番大切にしていることは何ですか?大草:『いつでも謙虚に』というのと、あとは満足したら天井が決まってしまうので『満足しない』というところを大事にしています。──それは、誰かを参考にしたりした?大草:いや、自分のもともとの性格なのだと思います。これまで生きてたらこうなりました(笑)。
Q8:どんな時に幸せを感じますか?大草:レースで結果が出た時ですね。トップタイムを出したりとか、そのタイミングで一番速いっていう瞬間が幸せです。最近だと、もてぎ(2024年第8戦)のポールポジションは気持ちよかったですね。
Q9:大草選手が尊敬する人は誰でしょうか?大草:伊沢さんです(即答)。あと、憧れはルイス・ハミルトン(F1で7度のワールドチャンピオン)ですね。彼が来るだけで注目が集まりますし、動物的な本能みたいな、強そうなオーラがあって凄いと感じています。
Q10:これまでの人生で、いちばんの挑戦は何でしたか?大草:いちばんはないですが、毎回のレースが自分への挑戦ですね。毎年新しい環境に臨めている部分もありますし、本当に毎年が挑戦です。
Q11:困難な状況に直面したとき、大草選手はどのように対処しますか?大草:気持ちで負けちゃいけないと思っているので、『諦めないこと』ですね。失敗した時も、自分を信じてあげられるのは自分だけだし、自分に対して疑心暗鬼になってしまうと何もできなくなるので、そこをちゃんとしたいなと思っています。──他人にアドバイスを求める?それとも自分?大草:うーん、いろいろな人の意見も聞きますが、こんがらがっちゃうので取り入れる部分は選んでいるかもしれないですね。もちろん聞いたことは自分に入っていますが、最終的な解決策は自分で考えて見つけるようにしてます。
Q12:自分の長所と短所は何だと思いますか?大草:短所は、気にしすぎるがゆえにメンタルがブレやすいところですね。──短所が先に出ましたね。では長所は?大草:長所は、人に可愛がってもらえることが多いかもしれないですね。自分から何かしているわけではないですが、自分の人生の大事なタイミングで手を差し伸べてもらえた印象です。カートでお世話になった安田(裕信)さんをはじめ、GTでは中嶋(悟)さん、SF(全日本スーパーフォーミュラ選手権)に出た時の池田(和広)さんもそうです。自分で言うのもあれですけど、長所なのかなとは思います。
Q13:子どもの頃はどんな子供でしたか?大草:幼稚園の年長の時に、先生に人生初の恋をしましたね。──恋!? 初恋にしては早いですよね。大草:そう(笑)。年長の癖にませた子どもでした。今でも覚えてるぐらいで、ナツコ先生って言うんですけど、「なっちゃん、なっちゃん」ってずっとついて回っていた記憶があります。──ナツコ先生のどこに惚れた?大草:えぇ〜(悩みながら)、顔とかの外見はあまり覚えていないですけど、多分『お姉さん』らしさが良かったんじゃないですかね(笑)。何の話してんだって感じですよもう(笑)。
Q14:他の人から、どんな人だと言われることが多いですか?大草:よく優しいと言われます。でも、優しいがゆえに自分の意見がないというか。「もっと(自分の意見を)言ったら?」みたいに言われたりすることもありますが。なので、丸い性格の人という感じだと思います。
Q15:自分を動物に例えるとしたら、どの動物だと思いますか?大草:出っ歯なので、ウサギとか言われたことがありますね。大体、小動物系って感じじゃないでしょうか。──犬だとチワワとか?大草:犬で言うとそっち系かも。でも、僕はあんな凶暴じゃないので、見た目はチワワでも、中身は温厚なゴールデンレトリバーみたいな感じがいいですね(笑)。
Q16:ではここからは『20』にちなんだ質問です。まず、20回以上通っているお店かレストランを教えてください。大草:地元が神奈川県の平塚なんですけど、平塚駅前にある『レストラン海賊』という洋食屋があって、そこは小さい頃からずっと行っています。レースを始めるきっかけになったのも、そこのお店なんですよ。──そうなんですね。それは初耳です。大草:お店の大将が『カペタ』(『月刊少年マガジン』連載のレース漫画)にハマった時期があって、それで僕のお父さんに『やらせてみない?』みたいな話を持ちかけてくれたのがきっかけなんです。いまでも、スーパーGTとかS耐(スーパー耐久)とかも、富士スピードウェイでやる時は大将も見に来てくれますし、嬉しいですね。
Q17:20年以上使っているものはありますか?大草:えぇ、20年はないかもしれないですね。いま自分が25歳なので、5歳の頃からってことですよね……さすがにないかな。自分は『新しいものを買ったら、古いものは捨てる』スタンスなので、(身の回りの物は)ずっと入れ替えています。なので『捨てられない』とか『物が溜まっていく』とかもないですね。
Q18:20年前は何をしていましたか?大草:サッカーにハマってました。幼稚園の頃にサッカークラブに入ってましたね。
Q19:そんな20年前の自分に言いたいことは?大草:『サッカー選手はやめとけ』って言います(笑)。──それはどうして?大草:自分、足が速かったんですよ。それでキャプテンだったのですが、足が速いだけが取り柄だったなと思います。サッカーって、ボールが転がったらみんなで一斉に走っていくじゃないですか。(気持ちとしては)あの感じが実は苦手で。
大草:そういった競い方はあまり向いてなかったのではないかなと思います。とにかく性格が控えめなんです。パスも要求しないですし、ボールをもらっても全速力で走り抜けたいタイプだったので、サッカー選手には憧れていましたが、『向いてないよ』と言います。
Q20:最後に、20年後にしていたいことは?大草:45歳ですか……、レースはもちろん続けていたいです。それぐらい好きなので。レース以外で言うと、有名人になりたいですね。──GT500の選手はすでに有名人では?大草:いやいや、僕はまだまだ足りないですよ。街中で声をかけられたいですね。『マスクをしないと歩けません』みたいな状況になってみたいです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
初恋の話はかなり盛り上がりましたね。自分では控えめな性格と語った大草選手ですが、実は注目を浴びたい一面もあるようでZ世代らしさを感じました。次回はどのGT500ドライバーが登場するでしょうか、ここまでメーカー順で進んでいるところは、少しヒントになりそうです。次回もお楽しみに!
[オートスポーツweb 2025年04月18日]