写真【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.169】
被毛が汚れ、やせ細った姿から一変して、ふわふわの猫に大変身したのは、ハチワレ猫の「ごろ」くん。
劇的なアフター姿が見られたのは、保護から3か月後のこと。保護主である、さとう@猫ぼっこさん(@necobokko・以下、さとうさん)は、表情やオーラまでもが変わったことに嬉しさを噛みしめています。
◆コオロギを食べて飢えをしのいでいた野良猫を保護
さとうさんさんは、保護猫カフェ「necobokko CAFÉ」を運営中。
「necobokko CAFE」は保護猫との触れ合いとおいしい料理が楽しめる、就労継続支援B型事業所。売り上げは、お店で働く障がいのある方の賃金になっています。
「自分の本業や経験を活かして地域社会に何ができるだろう……と悩んだ末に行き着いたのが、人にも動物にも優しい『necobokko CAFÉ』でした」
現在、さとうさんは地域の保護ボランティアさんと協力しつつ、猫の保護や譲渡を行いながら、多世代の人が楽しめるお店作りをしています。
ごろくんは、2024年9月13日にお店の敷地内に現れた子でした。日頃から、近隣の野良猫や地域猫はある程度、把握していたさとうさんですが、ごろくんを見たのは、この日が初めて。
当時、お店では状態が悪い子の保護が続いており、新しい猫を保護することは保護スペースや医療費の問題から難しかったため、さとうさんは自宅でごろくんをケアし始めました。
「おそらく、数日前から倉庫の下に潜んでいたのだと思います。よく見たら、倉庫のまわりに猫の便が何個か落ちており、中身は全てコオロギのみでした」
◆生後4か月なのに体重はわずか900g…
ごろくんは保護直後も、中身がコオロギの便をしていたそう。飢えをしのぎ、懸命に生きてきたのだと感じ、さとうさんは胸が熱くなりました。
歩行はフラフラしていたものの、ご飯を見せると近寄ってきてくれたごろくん。保護当初からゴロゴロと喉を鳴らすなど、人馴れはしている様子でした。
「おそらく、これまでも人間からご飯を貰うなどして生き延びてきたのでしょう。何とも、やるせない気持ちになりました」
動物病院では、生後4か月ほどであることが判明。しかし、体重はわずか900gほどしかなく、採血ができないほど血流が悪かったそう。
さとうさんは猫用フードをしっかりと食べさせ、健康管理に努めましたが、外猫時代にコオロギを主食としていたごろくんは突然、食べ物が変わったからか、数日間、下痢と嘔吐。1週間ほど、病院で点滴を受ける日々が続きました。
◆厳しい外猫生活から一転してゴロゴロ過ごせる日常へ
ようやく体調が落ち着くと、ごろくんの表情は穏やかに。体も少し、ふっくらとしてきました。
「ごろはとにかくいい子。元気になってから汚れた体を綺麗にしようとお風呂に入れたら、シャンプーもドライヤーも怒らず、じっとしてくれていました。こんな子は初めてです」
お利口さんのごろくんは、他の保護猫たちと交流することも大好き。いつしか、みんなのお兄ちゃん的存在となり、人間と一緒に過ごすよりも猫同士でいることを好むようになりました。
特に仲良しなのは、保護部屋で一緒に過ごしている「ぷりん」ちゃん。べったりとくっついたり、食べ残したウェットフードを狙ったりしているそう。
自分よりも他猫と一緒に過ごす時間が長くなったことを、さとうさんは少し残念に思いつつも、猫たちの交友関係を微笑ましく見守っています。
◆嬉しい名前通りの成長
「喉をゴロゴロ鳴らしてくれたことから、『ごろ』と名づけましたが、今ではゴロゴロ寝転んで過ごすことが多くなり、ある意味、名前通りに育ってくれました(笑)。へそ天している時、プニプニになったお腹を触って癒されています」
さとうさんはごろくんをはじめ、個人で保護した猫たちの様子をTiktokで配信中。オンラインショップでは、保護猫支援に繋がる商品を販売しています。
厳しい外猫生活から卒業できたごろくんに、今後も明るい未来が待っていますように。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291