もちゃこさん昨年突如現れた「#デカ女」ブーム。SNS上で高い注目度を誇る高身長女性たちが、さまざまなメディアで取り上げられたのは記憶に新しい。だが、“デカさ”の点では「#みけぽ」に代表されるぽっちゃり女性たちの存在も忘れてはいけないだろう。
ぽっちゃり体型を自身の個性・武器として活躍する女性インフルエンサーは少なくないが、3桁体重の女性たちは日常生活でどんな「あるある」や「悩み」があるのか。
今回は、うつ病で退職したことを機に体重100キロの大台を突破したという、もちゃこさん(125キロ)をインタビュー。日々の食生活やアパレル事情について語ってもらった。
◆幼少期からぽっちゃり体型、お米が大好き
――もちゃこさんは現在23歳で、農家で働いているそうですね。
もちゃこ:短大卒業後、20歳で保育士として働き始めたんですが、うつ病のためわずか3ヶ月で退職し、今は神奈川県の実家で農家の仕事を手伝っています。
――現在158センチ・125キロとのことで。幼少期から体は大きいほうでしたか?
もちゃこ:幼少期からぽちゃぽちゃで、人生で痩せ型だった時期はほぼないです。小・中学校では完全に肥満体型で、身長150センチ弱だった小6の時点で、体重は50キロ以上ありました。
――体質的なものもありそうですが、自己分析的には何が肥満体型の原因になったんでしょうか?
もちゃこ:とにかく塩おむすびなどのお米が大好きで。かつ運動嫌いで、外で遊ぶタイプではなかったことも大きかったのかなと。10代だとストレス太りのような感じで、中学の3年間が一番急激に太りました。
◆太りやすい体質もあって、18歳で90キロ後半に
――確かに人間関係などに悩みがちな時期ですけれども。
もちゃこ:いろんな小学校から生徒が集まっていて、もともと大人しい性格も影響し、学校が少し嫌になった時期があったんです。別にいじめられていたとかではないんですけど。食べることが一番のストレス発散で、中学を卒業する頃には80キロ後半になっていました。
――高校3年間の体重推移は?
もちゃこ:そこまで急激に体重が増えることはなかったんですが、やはり体質的に太りやすいのか、結局3年で90キロ後半まで徐々に増えましたね。
◆いじめられたことは一切なかったものの…
もちゃこ:小学生の頃はマット運動が苦手で。足が太すぎることに加えて体が硬く、前転すらできなくて恥ずかしかった思い出があります。そもそもちゃんとしゃがめないんです。鉄棒も跳び箱もできなくて、体育は本当に苦痛でしたね。保健室でよくズル休みしていました。平熱が高いほうで普通に元気でも熱を測ると37度以上いくこともあったので。
――体重のせいで学校の人間関係に悩んだ時期はありますか?
もちゃこ:いじめられたことは一切なくて、幸い友人関係で悩んだことほぼないです。顔が丸く、暑がりですぐ顔が赤くなるので「トマト」と呼ばれて、男子からからかわれるようなことも多少あったんですけど。むしろ友達はできやすいほうで周りの友達が守ってくれました。子どもにも好かれやすいほうで、保育士の実習先では「子どもに好かれそうな雰囲気ですね」と言ってもらえることも多かったです。
――最終的にはうつ病で退職してしまったようですが、いざ現場で働くと、さまざまなギャップも?
もちゃこ:「動きが遅い」と言われることが多かったです。わかっていても体が重いので俊敏に動けなくて……。保育士時代はまだ90キロ台でしたが。
◆運動はもちろん電車や徒歩の移動も…
――もともと外出もあまりしないほうなんでしょうか?
もちゃこ:買い物など外出自体は嫌いではないですが、あまり動きたくないというのが根本にあるので、基本は引きこもりです。運動はもちろん電車や徒歩の移動もイヤですね。
――卵が先か鶏が先かみたいな話ですけど。100キロ超えたのは退職後ですか?
もちゃこ:うつ病と診断され、お薬の副作用などもあって30キロぐらい増えて、1年ほどで128キロまでいきました。メンタル的にツラかった時期は、寝て起きて食べての繰り返しで、生活リズムもめちゃくちゃでしたね。実は去年、カロリー制限して103キロまで落としたんですけど、見事にリバウンドをしてしまい、3〜4ヶ月でMAX130キロまで急激に体重が戻りました。
◆100キロを超えて悪化したのは…
――100キロを超えて、どんな変化がありましたかね。
もちゃこ:色々ありますが、まず実感として体が重くなりました。うつ病の影響もあって睡眠は浅かったんですが、体重が増えるにつれて「睡眠時無呼吸症候群」が悪化しましたね。シーパップ(CPAP)で今はだいぶイビキも改善したみたいですが。
あと、みけぽになってから「みけぼは、ぼっちゃりじゃないだろ」とネットなどで言われることが増えましたね。「ぽっちゃり」もデブも同義だろと思うんですけど……。
◆一食あたり「最低1合以上」は食べる
――お米は普段どれくらい食べるんでしょうか。
もちゃこ:おかずにもよりますが、茶碗に山盛り2杯はいくんで、一食あたり最低1合以上は食べています。
――確かに多いですけど運動部の男子大学生くらいのイメージですね。頻繁に回数を食べるとかでもなく?
もちゃこ:基本的は3食です。何が一番好きって寿司なんです。お寿司は20皿いけます。ポンポン胃袋に入っていっちゃいますね。寿司も米だし。
――甘いものを間食することも普段はないんですか?
もちゃこ:甘いものは逆にちょっと苦手です。おやつはあたりめをよく齧っていました。カロリーが少なくて長持ちするおやつを母も考えていたみたいで。噛む力が強いので、あたりめも相当な量を食べていましたが。
――ちなみにお米はご実家でも作られているんですか。
もちゃこ:うちは稲作はやっていなくて畑のみです。
◆最近まで付き合っていた彼氏も“みけぽ”だった
もちゃこ:洋服は基本的にネットで買うことが多いですね。渡辺直美さんの「PUNYUS」、みけぽインフルエンサーのあいまるさんの「ルオシー」といったブランドが私の定番です。ウエストなど要所要所にゴムを多用していて、太っている人でも着痩せするような、かわいいデザインになっていて、スゴいなと思います。
――もちゃこさんはつい最近まで、交際中の男性がいらっしゃったそうで。
もちゃこ:彼氏も太っていたのでデートはグルメを目的が多かったです。はま寿司が好きで二人で7000円の会計になったこともあります。
――二人ではま寿司の会計7000円は、なかなかですね。
もちゃこ:その彼もみけぽだったんですが、私のほうが食べていましたね。
――じゃあ、彼氏さんもかなり大きかったんですね。逆に珍しいマッチングな気がします。
もちゃこ:はたから見たらベイマックスが2人並んでいるみたいな感じでした。これまで4〜5人とお付き合いした経験があるんですが、やっぱり珍しかったと思います。ぽっちゃり好きの男性はスリムな痩せ型が多かったので。
――直近の彼氏さんとは、どこで出会ったんですか。
もちゃこ:Xですね。DMが来て、仲良くなってからインスタを交換したら、彼もまさかのみけぽでした。串カツや焼き鳥を1本サービスされたこともあり、それは少し得した気分になります。逆にトイレは狭くて大変です。ドアの開閉で引っ掛かるので、申し訳ないんですが、空いているときは多目的トイレを使わせてもらうこともあります。
◆ゆるく減量中、目指すは90キロ台
――今後、もちゃこさんは減量も考えていますか?
もちゃこ:90キロ台を目指してゆるくダイエット中です。サイズ重視の専門店もあるとはいえ、どうしても価格も割高になりますし、よりデザイン重視の服も着られる体重、3Lも着られるくらいの体重が90キロ台なので。
――米価格も高騰していますからね。
もちゃこ:3Lなら「GU」などのお店でも買えるのでより経済的かなと。
<取材・文/伊藤綾>
【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii