元セクシー女優が暴露「ノーギャラ面接地獄」の裏事情。キツすぎて“デビュー前にやめる女性”も

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2025年04月19日 16:21  日刊SPA!

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元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在はメディア出演も積極的に行っている。
◆新人の第一関門「メーカーまわり」の裏事情

 過去にセクシー女優の裏側シリーズとして「待ち時間は何をするのか」、「女優のワガママは通じるのか」といった内容の記事をお届けした。今回はそんな裏側シリーズ第3弾として「メーカーまわり」について紹介する。

 メーカーまわりとは制作会社との顔合わせを行ったうえでオファーの可否を決める、いわば就職面接のようなもの。かつては業界用語だったが、最近はセクシー女優もSNSでこの単語を普通に使うし、私自身も何度か記事で取り上げたため、女優ファンなら「メーカーまわり」について多少の知識はあるかもしれない。しかし詳細を知るのは業界人のみのようだ。

 メーカーまわりはセクシー女優として一番最初の仕事とされ、当たり前だがギャラは発生しない。ノーギャラという時点で挫折する子が現れるくらいなので、女優としての適性をジャッジするいい材料にもなる。

◆メーカーまわりにかかる時間は

 ビデオメーカーはごまんとあり、すべてをまわったら相当な時間がかかってしまう。1から10まで手を伸ばせば日が暮れるどころの騒ぎではないため、まずは大手メーカーを訪問し、その次に中小、最後に小規模な会社へ行くのが基本だ。

 メーカーまわりは就職面接ほどカタくはないが、結局のところ「面接」である。顔を見てパッとは終わらず、記入シート(履歴書のようなもの)にいろいろ書いて先方にアピールしなくてはならない。項目の細かさは会社によって異なり、シートを確認したうえで面談が進む。

 話が終わり、最後にスタイルや傷跡チェックのための撮影をして終了。所要時間は短くて30分、長くて1時間を超え、これを1日にまわるメーカーのぶんだけ繰り返す。

 一応1社あたりの滞在時間はざっくり決まっているのだが、話が盛り上がれば当然のように延びるせいで、絶対に「1社1時間以内」で終わるとは限らない。担当者の手がなかなか空かず面談が数十分押すか、急な時間変更が起きるケースもある。理不尽かもしれないが、女優と事務所は“訪問させてもらっている立場”なことから、柔軟な対応を求められるのだ。

◆「ノーギャラ+長時間拘束」に耐えられない新人女優も

 時間がかかるメーカーまわりは短時間でギュッとスケジュールを詰め込むせいで、とにかく疲れる。営業スマイルで延々と喋り続けなければならないし、所要時間が読めないとなれば1日最大3〜4メーカーが限度。大手に訪問するだけでも数日はかかる可能性も高く、ノーギャラ+長時間拘束に耐える新人の“第一関門”といっても過言ではないかも……。

 ちなみに、面接から仕事が来るまでに2週間から1カ月くらいは待たねばならない。タイムイズマネーの精神が強すぎる女性はこの時点で激しく苛立ち、メーカーまわりを終えたのに「やっぱりやめます」とちゃぶ台をひっくり返す人もいるらしい。

◆すべてのメーカーに行く必要はない

「メーカーまわりは必須」と言うけれど、実は全部に顔を出す必要はない。もっと言ってしまえばその制作会社に面接へ行ける子、行けない子など個人差も出る。

 そもそも、メーカーまわりは飛び込みで行くものではなく、事務所は事前に宣材写真を送り「この女優と一緒に伺ってもいいですかね」と先方に許可を取ってからはじめて面談を行ってもらえるのだ。OKが出た子に限り“ゴー”が認められるため、会うまでもないと判断されたらあっさり断られる。

 非常にシビアだが人気商売なんてのはこんなもので、業界人に会いたいと思われない人物はきっとユーザーにもウケないだろう。メーカーは顔を合わせる前からある程度のことを見抜いているのだ。

 また、すでに売れている女優や、最近勢いがある演者だと面接不要でそのままオファーがくる場合も多い。SNSのフォロワーやビデオの販売状況を見れば、わざわざ会わずとも安心して仕事を任せられるため、フォロワー数や売れ行きはメーカーにとって信頼のバロメーターなのだ。

◆メーカーまわりを受け付けない会社も

 そして売れっ子・新人関係なく、もともとメーカーまわりを受け付けていない会社も少なからずある。この手のメーカー作品は大多数の企画ものや簡易的な撮影であり、難易度がとにかく低い。撮影や現場の難しさと採用基準はやや比例するため、受け入れキャパが広いからこそ面接は不要である。

 もちろん小規模な制作会社は、ギャラも安いけれど面接なし、おまけに新人も起用されやすいとなると、事務所としては非常に有難い存在といえよう。

 メーカーまわりで仕事が取れる・取れないが決まってくるので、ノーギャラだろうが、時間がかかろうが立派な「仕事」であることに変わりはない。面接に就職に自己アピールと、その点においては昼職と変わらないだろう。

 デビュー前の最初の仕事にしては少々ハードだが、今売れているあの女の子も、みんなメーカーまわりを経験している。この山を乗り越えられた子だけがデビューできると考えると、本当にセクシー女優は狭き門だと改めて思うのであった。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

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