8月10日付で宝塚歌劇団を退団する星組トップ礼真琴が19日、兵庫・宝塚大劇場で、サヨナラ公演「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」の初日を迎えた。
礼は終演後、「どこか1年の中で新しい気持ちになるこの4月に、この111期生を加え、星組生も皆、1つ学年が上がって初めての舞台でございます。ここから皆さまとともに、この2作品を深め、そして愛していただけるように、星組生一同、心を込めて務めてまいりたいと思います」とあいさつ。
ミュージカル「阿修羅城の瞳」は、劇団☆新感線との初コラボ作で、いのうえひでのり氏が原作演出。
「劇団☆新感線さんとの初のコラボレーションということに、誇りをもって、プライドをもって、そして、小柳(奈穂子)先生、レビューの生田(大和)先生の宝塚歌劇への愛情がたっぷり込められた、このお芝居とレビュー、最後の日まで心を込めて、お客さまとともに駆け抜けてまいりたいと思いますので、千秋楽までどうぞよろしくお願い申し上げます。本日は本当にありがとうございました」と感謝した。
礼は「阿修羅城の瞳」で、安倍晴明の一番弟子で鬼殺しを担う「鬼御門」のかつての一員、病葉出門(わくらばいずも)に扮(ふん)し、次期トップに決まった暁千星が演じる女泥棒、闇のつばきとの、人と鬼との壮絶な恋物語を演じた。
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鬼たちとの戦いの場面では、流れるような立ち回りで沸かせた。
一方、110年の伝統の先へと続く新たな宝塚レビューを、という願いを込め“希望を胸に抱く人”を意味する「エスペラント!」と名付けられたショーでは、青い星に柔らかな光の差し込む中、きらびやかな衣装で登場した。
宝塚らしい王道レビューはもちろん、第4章の海底レビューでラテンのリズムを披露すれば、第6章の青い星では、千住明氏の楽曲に合わせて、歌い舞った。
この公演で初舞台を踏んだ111期生とも絡んだ。初舞台生と手をつなぐ場面もあり、先輩から受け継いできたバトンを次世代につないだ。
礼は09年初舞台の95期、首席入団。歌、芝居、ダンスと3拍子が高いレベルでそろい、下級生時代から注目を集めた。
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19年10月に星組トップに就き、相手娘役に舞空瞳を迎えた。前花組トップ柚香光、前月組トップ月城かなと、雪組トップ朝美絢、次期宙組トップに決まっている桜木みなとと、ここまでトップ5人を輩出している95期でも、最初にトップに就任した。
昨年9月に「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」東京公演千秋楽をもって退団すると発表。本拠地お披露目公演の最中、コロナ禍に見舞われ「再びお客さまとふれあえる状況になった時、110周年をまっとうして卒業したいとの思いが強まった」と経緯を説明した。
19年10月の就任から退任までの在位は約5年10カ月、本拠地9作で退くが、現5組トップの中でも最長キャリアとなっている。
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