「べらぼう」好演が話題の小芝風花と飯島直子、それぞれの名字のルーツに迫る 「芝」は「柴=雑木」、「飯」は「結い」「良い」に由来する説

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2025年04月20日 10:10  まいどなニュース

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「べらぼう」での好演が話題の小芝風花さん(左)と飯島直子さん

NHK大河ドラマ「べらぼう」で吉原の花魁瀬川(身請後は瀬以)を演じて話題の小芝風花。「小芝」は珍しい名字というほどではないが、あまり見かけない。千葉県を中心に、どちらかというと東日本に多い。

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現在では「芝」という漢字からは芝生を連想する。この芝生となっているのは西洋芝が多く、しかもそのほとんどは近代以降に人の手によって植えられたものだ。もちろん日本にも古くから自生している芝もあるが、数は多くない。

実は「小芝」という名字が最も多い千葉県には「小柴」も集中しており、「小芝」よりもかなり数が多い。

江戸時代以前は分家した際に、同じ読みの別の漢字に変えるというのはよく行われており、「小芝」は「小柴」から漢字が変化したものと思われる。

それでは「小柴」とはなんだろうか。

「柴」とは、昔話でおじいさんが山に採りに行くものだ。もちろん芝生の「しば」ではなく、山に生えている小さな雑木のこと。

「柴刈り」というのはこうした雑木を刈りに行くことである。刈った柴は薪にしたり、垣根を作ったりした。そして、こうして刈った木そのものも「柴」といった。

つまり、「小柴」とは山で採った柴でつくった小さめの垣根などを指し、「小芝」はそこから漢字が変化したものだろう。

一方、主人公蔦重の義理の母で、引手茶屋駿河屋の女将「ふじ」を演じている飯島直子。数々のドラマや映画に出演してきたが、大河ドラマは57歳にして初出演である。

「飯島」は地名由来の名字で、ルーツの地は各地にある。「飯島」の「飯」は当て字で、「いい」は「結(ゆい)」かにら転じたものとも、「良い」に因むともいわれる。

歴史的には信濃の飯島氏が著名。信濃国伊那郡飯島本郷(現在の長野県上伊那郡飯島町)がルーツで、清和源氏の一族。戦国時代まで同地の有力武士で、子孫は江戸時代もその地の有力一族として続いている。

現在「飯島」が最も多いのは茨城県で、とく県南部に多い。この地域の「飯島」のルーツは常陸国東茨城郡飯島村(現在の茨城県水戸市)で、江戸時代から県南部には多くの飯島家があった。

◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら研究を続ける。2017年から5年間NHK「日本人のおなまえっ!」のコメンテーターを務めた。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。

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