橋本環奈、新ドラマは“セリフ地獄” 朝ドラから1ヵ月経たずスタート「『すぐ働いてるじゃん!』って言われます(笑)」

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2025年04月22日 08:40  クランクイン!

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橋本環奈  クランクイン! 写真:小川遼
 今夜スタートのドラマ『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系/毎週火曜21時※初回は6分拡大して放送)で主演を務める橋本環奈。朝ドラ『おむすび』(NHK総合)のヒロイン役が記憶に新しいなか、次に挑むのは、天才的な頭脳を持ち、医療にまつわる謎や現象を次々と解決していく天才ドクター・天久鷹央役だ。もともと原作ファンだった橋本が、膨大なセリフ量や難しい役どころに「新たなチャレンジ」として挑む。さらに、多忙なスケジュールを乗り越えるための“楽しむ力”についても話を聞いた。

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■「セリフ地獄を覚悟していました」

 原作は、現役医師でもある知念実希人によるシリーズ累計360万部突破の人気医療ミステリー。今年1月にはアニメ化もされ、話題を呼んでいる。橋本が演じるのは、自閉スペクトラム症の特性を持ち、「診断困難」とされる病を圧倒的な知識と観察眼で解き明かす診断医・天久鷹央。

 これまで漫画の実写化作品からロングラン舞台『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋、朝ドラのヒロイン役など、実にさまざまなキャラクターを演じてきた橋本だが、医師役は今回が初めて。原作は学生時代から読んでいたといい、映像化のオファーを受けたときの率直な感想を「これは大変だぞと思いました」と打ち明ける。「セリフ地獄になるなというのは始まる前から覚悟していました。実際に台本を読んだら、やっぱり1つのシーンが専門用語が多いうえにすごく長いんですよ。10ページ以上とか普通にあって。とにかくセリフの量が多い」と笑う。

 それでも現場は明るい雰囲気に包まれている。「撮影前に(三浦)翔平さんと『どちらかがセリフを間違えても、ドヨンとした空気にならずに頑張ろう』って話してました(笑)。翔平さんとは以前共演していたので安心感がありますし、(畑)芽育ちゃんとは初共演でしたが、本当に気さくで、3人で他愛のない話で盛り上がっています」と楽しそうに語る。

 卓越した頭脳を持つ天久鷹央だが、完璧なだけではないところも魅力だ。「頭脳明晰で診断のスピード感も魅力的なんですけど、運動神経が悪かったり不器用だったり、ギャップがかわいいんです」。屋上でスキップするシーンでは、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「運動神経悪い芸人」が教材だったとか。「木村(ひさし)監督と練習しました(笑)」。

 ちなみに朝ドラではパラパラを“うまく踊らないように”したエピソードがあったが、「むしろ下手に見せるのって難しいんですよ」と運動神経の良さゆえの苦労も明かした。

■専門用語と向き合う日々「意味を理解していないと、セリフが出てこない」

 原作はアニメ化もされた人気作だが、寄せていこうという意識はあえて持たないようにしているという。ただし、髪型は橋本から切ることを提案したそうだ。「無理に近づける必要はないと原作の知念先生も仰ってくださっていたんですが、役作りとして雰囲気を作った方が、演じるうえでやりやすさにつながる時が結構あるので、ビジュアル面は少し変えたいなと思っていました。鷹央らしくレイヤーを入れて少し軽くしました」と笑顔を見せる。

 医療ドラマといえば、難解な専門用語をスラスラと話すイメージが浮かぶが、「病名や臓器の名前、症状などがたくさん登場するので、ある程度意味を理解していないとセリフとして出てこないんです。第1話で描かれる疾患も全部調べました。身体の仕組みとか、大まかでもわかっていないと、ただ覚えるだけでは無理ですね。もう毎日気絶するように寝てます(笑)。撮影以外の準備期間もこれだけ時間を取らなきゃいけないんだ、大変だなって思ったのが、今回初めてかもしれないです」と、医療モノならではの難しさと日々向き合っている様子。

 さらに専門用語だけでなく、「この前とある小説の冒頭を暗唱するシーンがあって、本当に頭を抱えそうでした。メイクを落としながらもブツブツ言ってました(笑)」と振り返り、「うまく言えた瞬間の『言えたー!』っていう達成感はすごいあります」とやりがいを感じる瞬間を明かした。

 独特な話し方や態度をとる鷹央を演じる上で、工夫しているのが“距離感”と“視線”だ。

 「誰に対しても“お前”呼びだったり、上から話すような口調なんですが、それを、悪意なくやっているところが難しいんですよね。相手をイラッとさせても気づいていない。それに、人の目を見て話すのが苦手なんです。鼻を見るようにしたり、斜めを向いたり、瞬きを増やしたりして、距離感を演出しています。強くなりすぎず、でも無邪気さは残す。バランスが難しいですね」。

 自閉スペクトラム症やサヴァン症候群という特性を持つ役だけに、細かな演技にも神経を使う。「私はわりと直感的に動くタイプだったんですけど、今回はすごく考えてますね。こういう動きをしたら、ちょっと違うように取られてしまうんじゃないかとか、表情や視線も含めて、監督と話し合いながら作っています。例えば、鷹央は謎に対しての探究心が本当に強いので、緊迫した空気の中でもひとりだけワクワクしているみたいな、その不謹慎さをどうしたらちょうどよく見せられるのか…。ここ数年でも結構チャレンジングなことをしています」と話す。

 鷹央が難問を前にするほど興奮するように、橋本も難しい仕事を楽しんで取り組む印象があるが、「好奇心は旺盛で、興味があることに対しての進む力、そういうところは鷹央にちょっと似ているかもしれないですね」と頬を緩めた。

■「自分の機嫌は自分で取る」忙しい日々でも“楽しむ力”を忘れずに

 半年間放送された朝ドラが最終回を迎え、1ヵ月も経たないうちに新たな主演ドラマがスタートする橋本。周りにも、「『すぐ働いてるじゃん!』って言われます(笑)」と驚かれたそう。休みは欲しくないか?と聞くと、「休んではいますよ。働くときは働いて、少しだとしても休むときは休むっていうのを自分の中でしっかり分けています」と平然と答える。舞台にドラマ、年末の紅白では司会を務めるなど、とにかく多忙なイメージの橋本だが、プライベートの時間に仕事が頭をよぎるなんてことは「全くないです!」と断言。

 「お休み中は仕事のことは1ミリも考えてません(笑)。舞台を見たり、旅行したりしている時間が、結果的に仕事に活きることはあるかもしれないですが、仕事のためにああしなきゃ、こうしなきゃと生きるのは、ちょっと違うと思うんです。あと、私は自分で自分の機嫌を取ることが上手だと思います。好きなことはとことんやるタイプですし」。

 そんな橋本を癒すのは、大好きな宝塚の演劇を見る時間と、愛犬の存在だ。「あまりにかわいくて…白目をむいててもかわいい(笑)。毎日会ってるのに、家に帰ると狂喜乱舞で迎えてくれるんです。そんな存在ってあります?」。愛犬の話になると、ひときわテンションが上がる橋本。最後に4月から新生活を迎える視聴者へメッセージをお願いすると、「大変なこともあると思いますが、そういう時こそ自分のことを一番かわいがってあげてほしいです。好きなことを明確にして、自分の“楽しい”を大切にしてください」と、柔らかな言葉でエールを送った。


(取材・文:川辺想子 写真:小川遼)

 ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』は、テレビ朝日系にて4月22日より毎週火曜21時放送(初回は6分拡大スペシャル)。
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