浅輪倫子(演:中越典子)=『特捜9 final season』より(C)テレビ朝日 テレビ朝日系で放送中のドラマ『特捜9 final season』(毎週水曜・後9:00)。2006年にスタートした『警視庁捜査一課9係』から数えて通算20作目となる今シーズンで、ついに「ファイナル」を迎える。ORICON NEWSでは、レギュラーキャストが作品への思いを語るインタビュー企画を“リレー形式”で展開中。第3回は、4月16日放送の第2話で夫・直樹(井ノ原快彦)に「自分の店を持ちたい」と打ち明けた、浅輪倫子役・中越典子が登場。
【画像】レギュラーキャスト勢ぞろいのポスタービジュアル 「ついに来たか」──ファイナルシーズンの心境
――ファイナルシーズンと聞いたときの率直なお気持ちは?
【中越】ついに来たか、という感じですね。『警視庁捜査一課9係』から数えて20年も続けてこられたというのは、私の人生の中でも本当にありがたく、光栄なことです。「ファイナル」とはっきり言ってもらえたことで、逆に気持ちがすっきりして、前向きに向き合えています。20年目ですが、ある意味すごく新鮮にも感じられています。
「倫子と直樹の時間」が特別だった
――ご自身にとって、浅輪倫子というキャラクターはどんな存在でしたか?
【中越】毎年、3ヶ月ほど“倫子ちゃん”として生きる時間がありました。「直樹と倫子」としての時間がとても特別で、登場シーンは断片的でも、大きな物語の中に2人の人生がちゃんと描かれてきたんです。事件に関わらない、ハッピーで自然な日常のシーンが多くて、それがとても愛おしかったです。2人の関係が本当に大好きで、演じている時間も楽しくて、撮影量は多くなくても、私の中で占める割合はとても大きい。終わるのはやっぱり寂しいですね。
洋菓子職人の役得に感謝
――倫子は洋菓子職人という役柄でしたが、苦労はありましたか?
【中越】むしろ楽しい思い出ばかりです。お店を借りて撮影する際、なぜか私たちが逆にお礼をもらって帰ることもあって(笑)。お土産やお花までいただいたこともありました。本格的なケーキ作りのシーンはありませんでしたが、現場はいつもいい香りで、視覚的にも華やかで、楽しい時間でした。お店の方との出会いも、素敵な思い出になっています。
渡瀬恒彦さんとの忘れられない思い出
――渡瀬恒彦さんとの思い出を教えてください。
【中越】渡瀬さんは、現場の空気をピリッと引き締めてくれる“頼もしい背中”でした。「中越〜!」と冗談交じりに呼んでくださって、肩にポンと触れてもらえるだけで安心できる、そんな方でした。印象的だったのは、“亡くなった母”の話をする親子のシーン。渡瀬さんと目を合わせるだけで、自然に涙が込み上げてきたんです。相手をその気持ちにさせるお芝居が本当にすごい方だったと思います。
イノッチさんのリーダーシップは“神”レベル
――井ノ原さんとの共演を通して感じたことは?
【中越】『特捜9』になってから特に感じるのは、イノッチさんのリーダーシップです。渡瀬さんがいなくなってから、「この作品を守っていこう」という意識がより強くなった気がします。その表れの一つなのか、毎年、撮影前に「今年の倫子と直樹、どうしたい?」と相談してくださって、現場で感じる温かい空気はイノッチさんのおかげだと思います。作品や共演者、スタッフへの愛が本当に深い方で、“神”のような存在だと感じています。
自分の人生を見つめ直して行動する倫子に注目
――ファイナルシーズンにおける、倫子役としての見どころは?
【中越】倫子は今年、自分自身の人生と改めて向き合い、自分のための時間を大切にしようと決意します。直樹との人生とは別に、自分の“個”の人生を見つめ直して行動する倫子に注目してほしいです。それが夫婦関係にどう影響していくのか…そこが今シーズンの見どころのひとつになると思います。
――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
【中越】20年という年月、続けてこられたことは本当に奇跡のように思います。夜9時台のドラマは、家事をしながら見てくださる方も多いと思いますが、今シーズンはぜひ、CM中も立たずに(笑)、最初から最後までじっくり見届けていただけたらうれしいです。