
【動画】子どもたちの痛切な現実に切り込む『年少日記』予告編
本作は、“痛み”と“後悔”を背負った高校教師が、少年時代の日記をきっかけに記憶を辿っていく物語。苛烈な競争社会において子どもが受けるプレッシャーや家庭内暴力など痛切な現実を描く一方、兄弟が魅せる純粋で切ない幼少期の記憶が観る者の胸を打ち、第36回東京国際映画祭の上映時には「今年のベスト」「涙が止まらない」と称賛された。
『SPL 狼たちの処刑台』にて脚本を務めたニック・チェクが本作で監督デビューを果たし、脚本と編集も自らが務めた。その巧みな構成と細やかな表現がアジア圏の映画祭を中心に高く評価され、中華版アカデミー賞とされる第60回金馬奨で観客賞と最優秀新人監督賞を、第17回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を受賞。『ある殺人、落葉のころに』や『母性のモンタージュ』に出演し、監督・撮影監督としても活躍するロー・ジャンイップを主演に迎え、痛切な苦しみを繊細に描いた感涙ドラマが誕生した。
高校教師のチェンが勤める学校で、自殺をほのめかす遺書が見つかる。そこに書かれていた「僕はどうでもいい存在だ」は、自身の幼少期の日記につづられた言葉と同じだった。彼は遺書を書いた生徒を捜索するうちに、閉じていた日記をめくりながら幼少期の辛い記憶をよみがえらせていく。それは、弁護士で厳格な父のもとで育った兄弟の記憶だ。勉強もピアノも何ひとつできない兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、出来の悪い兄は家ではいつも叱られていた。しつけという体罰を受ける兄は、家族から疎外感を感じ…。
予告編は、高校教師のチェンが少年時代の日記を見つけ、自身の痛切な過去をよみがえらせていくシーンを収録。厳格な父のもと、ピアノも勉強も兄弟で比べられ涙を浮かべる少年は「どうなるんだろう。なりたい大人になれなかったら」と日記につづりながら将来に不安を抱く。最後は後悔を背負いながらも、生徒を励まし「人はどうにもならないことに、向き合うときが必ず来る。だから話してほしい」と呼びかけるチェンの姿と、「閉じていたページに隠された苦しみの真相に、あなたも心を震わせる」というナレーションが流れ、痛みを紐解きながらも今を生きようとする主人公を予感させる、エモーショナルな予告となっている。
|
|
映画『年少日記』は、6月6日より全国公開。