【 吉沢亮 】 「俳優と歌舞伎役者は生きるものがちがう」 寺島しのぶ 「私は役者というよりスタッフ」

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2025年04月23日 22:32  TBS NEWS DIG

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俳優の吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さん、寺島しのぶさんらが、映画「国宝」完成報告会に登壇しました。
 

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本作は、吉田修一氏が、3年間歌舞伎の世界に黒衣を纏い、楽屋に入った体験をもとに執筆した小説を、李相日監督の手により映画化したもの。
任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄(吉沢)の、芸の道に人生を捧げ、“国宝”と称される存在になるまでの50年を描いた壮大な一代記。

抗争によって父を亡くした喜久雄が、上方歌舞伎の名門・花井家の当主である花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ歌舞伎の世界へ。そこで、半二郎の息子として、生まれながらに将来を約束された俊介(横浜流星)と出会い、生い立ちも才能も異なる二人が、ライバルとして互いに高め合い、芸に青春を注いでいくストーリーです。
 




この日、登壇した女性陣でもひときわ大胆に露出したドレスで登場した寺島さんは、人間国宝・七代目 尾上菊五郎を父に持つ、名門「音羽屋」の長女。劇中では半二郎が喜久雄を引き取ることに反発しますが、才能に気づき育てていく梨園の妻・大垣幸子を演じています。
寺島さんは“自分がこの役に重ねた役割というものが、とても今の自分にダブっているので、とても不思議な感覚を体験することになりました”と挨拶しました。
 


そして“今までの役者人生の集大成。すべてをぶつけた”という主演・吉沢さんは歌舞伎役者を演じることに“一応「役者」という繋がりはあるが、まったく違う世界だなと改めて感じました。我々は人間の人生を生きてくのですが、歌舞伎役者は何百年も先人が積み重ねられた「芸」を生きる、そこへの覚悟や、積み重ねたものには足元にも及びませんが、だからこそ、我々役者がやったことに意義はあるのかなと感じています”と、歌舞伎役者を演じる難しさを語りました。
 




横浜さんは“(横浜さんが演じる)俊介は、自分と正反対(の人間)で、もっと言ってしまうと苦手な人間なんです。だから普通の役作りと違うところは「まず理解し、愛するところ」からはじめました”と、普段とは違う役へのアプローチで取り組んだことを明かしました。
 

そんな二人を見守る女将役の寺島さんは“この役は、リアルに考えても、あまり成り立たないな”と、「世襲世界」を、至近で見てきた立場で語る一方で“夢がある物語だなと、台本を読んだ時に思いました”と羨望の眼差しで語っていました。さらに“李監督とは、なかなか一緒の仕事が叶わなかったが、この作品であったのも、この題材でやる意義があったのかな?”と、運命的な思いを語りました。
 

そして“ちょっと今回に関しては役者というよりも、スタッフの一部のような感じになってしまって。自分が見てきたものと「ちょっと違うな」と思うと、監督に「こういう感じなんじゃないですか?」と…”と語ると、すかさず渡辺謙さんが“けっこう鋭い指摘が…すばらしい指摘が(入ってました)”とツッコミが。
これに、苦笑いしながら寺島さんは“不思議な体験でした。李さんも紳士に応えてくれて楽しかった”と語りました。
 


さらに寺島さんは、いつもは自身の出演作を観ない主義だそうですが、“李さんはエゲつなくカットする監督として有名なので、自分のところがカットされていたら…”と不安をよぎらせると、渡辺さんから“ちゃんと、(出演シーン)あったって”とフォローを入れると、寺島さんは“ちょっとカットされていたらイヤだなと思って2〜3年ぐらい寝かしてから拝見します”と言うと、李監督は“その間に、編集を変えておく”と、つぶやいて会場を笑わせました。
 


イベントには他に高畑充希さん、森七菜さん、見上愛さん、田中泯さんが登壇しました。
また、同作品はカンヌ国際映画祭の「監督週間部門」に選出されています。

 



【担当:芸能情報ステーション】

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