東証=東京都中央区 東証は24日、株式売買に必要な最低金額である投資単位を「10万円程度」に引き下げるよう上場企業に求めていく方針を発表した。個人の取引環境整備について議論してきた「少額投資の在り方に関する勉強会」の報告書に個人投資家が求める水準を明記した。現在よりも少ない金額で株式を売買できるようにすることで、投資家層の拡大や市場の活性化を図る。
東証の上場規定では現在、投資単位を「50万円未満」とする努力義務が示されている。2022年に単位引き下げを要請した際には420社以上が株式分割を決議するなど、企業側の対応も徐々に進んできた。
ただ、東証上場銘柄の投資単価の中央値は3月末時点で約13万円と、米国(約1万8000円)など海外主要市場より高い。国内の取引所では100株単位で売買するルールがあり、株価が2万4000円超の銘柄は年間投資額が240万円までの新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠を利用できないという問題もあった。
東証が昨年秋、個人投資家に調査したところ、求める投資単位は10万円程度との回答が最も多かった。東証は今後、株式分割などの検討を企業に働き掛ける。