会談に臨む自民党の坂本哲志国対委員長(中央右)と立憲民主党の笠浩史国対委員長(同左)ら=24日午後、国会内 自民党は24日、年金制度改革関連法案について、5月中旬をめどに国会に提出すると立憲民主党に伝えた。立民は石破政権の対応の遅れを批判しており、提出期日を25日に明示しなければ、福岡資麿厚生労働相の不信任決議案の提出を準備すると表明した。後半国会では年金改革が与野党攻防の焦点の一つとなる。
自民の坂本哲志国対委員長は24日、年金法案の扱いを巡り国会内で立民の笠浩史国対委員長と会談。今月中の国会提出は見送るものの「5月中旬には出せる」と説明した。与野党が今国会での重要法案と位置付けていたことから、笠氏は「厚労相の責任を明確にすべく行動に出ざるを得ない」と回答。この後、記者団に「あす具体的な提出日の見通しが立たなければ、不信任案提出の準備に入る」と強調した。
法案には、厚生年金の積立金を活用した基礎年金(国民年金)底上げ策が盛り込まれていた。自民内では夏の参院選を控え「厚生年金の流用」との批判につながりかねないと警戒感が強く、厚労省は底上げ策を法案から削除する方針を示している。
自民は24日の厚労部会で法案を審査したが、今国会提出への賛否も含めて意見が割れ、対応を長坂康正部会長に一任した。党執行部を中心に提出に向けた調整を続ける。
自民の松山政司参院幹事長は24日、年金法案に関し、党所属の参院議員には「慎重な声が多かった」と記者団に説明。提出自体に依然否定的な立場をにじませた。
一方、野党からは底上げ策を重視すべきだとの指摘も出ている。国民民主党の玉木雄一郎代表は24日の党会合で、基礎年金の給付水準低下を問題視し「抜本的な改革から逃げるのは極めて無責任だ」と政府・自民の対応を批判した。

記者団の取材に応じる福岡資麿厚生労働相=24日午後、東京・永田町の自民党本部

自民党厚生労働部会であいさつする長坂康正部会長(中央左)=24日午後、東京・永田町の同党本部