ガソリン10円引き下げで生活どうなる? 暫定税率廃止で合意するも… 税収1.5兆円減の影響は【Nスタ解説】

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2025年04月24日 20:46  TBS NEWS DIG

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お値段から世の中の動きを読み解いていくコーナー「きょうのお値段」。今回は「1リットル10円」。物価高対策として、来月から引き下げられる方針のガソリン価格についてです。

【写真で見る】暫定税率廃止のメリット・デメリット

10円引き下げで一般家庭で年間約4000円、運送業者で約17万円も負担軽か

出水麻衣キャスター:
5月22日から、ガソリン価格、1リットル当たり10円の引き下げが決まっています。

【5月22日から引き下げ方針】
・ガソリン・軽油 10円/L
・重油・灯油 5円/L
・航空機燃料 4円/L

10円の引き下げで、生活がどうなっていくのか、みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹氏に聞きました。

一般家庭では年間で約4000円、運送業者では年間で約17万円も負担が軽くなるということです。
※ガソリン給油1台

輸送費の減少で物価高がやわらぐなど、家計への影響は大きいと話していました。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
暫定税率で下げると、ものすごい財源が必要になるので、それはできません。予備費が少し残っているので、予備費で手当しようという発想です。

いつまでやるかというと、実は原油が下がって、円高になっています。もしかすると、ガソリン代自体もずっと下がる傾向にあるので、その傾向を見ながら対応するということだと思います。

井上貴博キャスター:
よく財源の話が出ますが、補助金でずっとその場しのぎでやってきたと言えます。結局、ガソリン・電気・ガスの補助金をすべて合わせると、10兆円くらいだと言われています。

補助金などの一時的なことではなく、持続可能な制度に変えていった方がいいのではないかと思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
そのうち、少しは資源高も緩和されるだろうと思っていましたが、そうならないで今に至っています。そろそろ、恒久的な持続可能なものに切り替えていくことが必要だと思います。

暫定税率廃止で最大1L当たり25.1円値下げか 財源問題や道路整備に影響も

出水キャスター:
2024年、自民・公明・国民民主の3党が暫定税率の廃止に合意しました。

【ガソリン1L当たりの小売価格】
・消費税10%
・上乗せ分 25.1円(※)
・ガソリン税 28.7円(※)
・石油石炭税 2.8円
・ガソリン自体の価格
※暫定税率:1974年、道路整備の財源確保

現在、ガソリン自体の価格に上乗せで、「暫定税率」というものが25.1円上乗せされています。もし廃止されると1兆5000億円の税収が減ってしまうということです。

みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹氏に、メリットとデメリットを聞きました。

【メリット】
ガソリン価格が、最大で1L当たり25.1円の値下げになるそうです。物流や運送コストがさらに低くなるので、商品価格が値下げになるのではないかということです。

【デメリット】
財源が減るということです。代わりの1.5兆円は、どこから補填するのでしょうか。そして、補修や通学路整備、除雪など、道路整備に影響が出ることが想定されます。

道路などのインフラは、もう痛んでいるという話もありますが、影響が出てくる可能性があるということです。

星浩氏「年末に、一定の方向性が出ると思う」

出水キャスター:
メリットとデメリットを、どのように考えていけばいいのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
財源の問題は、国だけではなく、自治体もこの税収を見込んでいます。大幅に減ると、自治体が補正をしなくてはいけなくなり、自治体のいろんな行政に影響が出ると思います。

もう少し大きい視点で見ると、今、CO2を減らそうという時に、安いガソリンを市中に出していいのかという環境問題もあります。

また、低所得の人が物価高で困っているので、もちろん支援は大事です。しかし、タワーマンションに住んで高級外車に乗っている人のガソリンまで、こんなに安くしてあげていいのかなど、いろんな議論があります。

全体のバランスをどうするかというのは、本格的に議論する必要があると思います。

出水キャスター:
協議が続けられているということですが、実施されるとしたら、いつ頃からでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
年末に、自動車関係の税金全体を見直そうという動きがあって、おそらくそこで一定の方向性が出ると思います。

暫定税率もすべて廃止するか、一部半減するかどうかは別として、パッケージとして想定される様々な問題の議論を、どういうふうにやるかが焦点になるでしょう。

井上キャスター:
低所得者に対しては、食料品の軽減税率を下げる方がインパクトがあるだろうと思います。

ただ、ガソリンは「暫定税率」ですよね。“暫定”がずっと続いているのには疑問を抱きます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
(1974年から)もう50年も続いています。

自動車が贅沢品だったときに、ガソリンは高くてもいいだろうという発想なので、そこは変える必要があると思います。

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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

このニュースに関するつぶやき

  • 「国だけではなく、自治体もこの税収を見込んでいます。大幅に減ると、自治体が補正をしなくてはいけなくなり」←これは嘘。国が補填する制度があると玉木さんは言っていたよ。
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