役所広司「現場で和ませるために、わざとNGを出してくれた」大根仁監督暴露に照れ笑い

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2025年04月25日 12:12  日刊スポーツ

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サントリー「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」RISING BALL BARオープニングイベントに出席した役所広司(撮影・村上幸将)

役所広司(69)が25日、東京・麻布台ヒルズアリーナで行われたサントリー「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」RISING BALL BARオープニングイベントに出席。大根仁監督(56)と対談した中で、同監督から「現場で和ませてくれるために、わざとNGを出してくれた記憶がある」と明かされ、照れ笑いを浮かべた。


役所は、25年ぶりのNHK大河ドラマへの出演となった19年「いだてん〜東京オリムピック噺〜」で嘉納治五郎を演じ、大根監督はサブ演出として参加した。役所は、こだわりについて聞かれると「映画監督の前で、役者のこだわりは話しにくいですけど…ビールでいうところの素材」と即答。「料理をするのは監督。作品の中の、存在感のために準備することがあります。歴史上の人物を演じる時は、準備して埋めることができるところを訪ね、役に立つかは分からないけれど、訪ねていくことで存在感が出ることを信じてやる。お墓に行って、撮影中『仲良くして』と言うけれど」と役作りについて語った上で「撮影後の編集で、監督がバサッと切ることがある」と笑った。


大根監督は「監督としてのこだわりは、監督として細かいというか、映る1つまでこだわる。Netflixで撮影した某ドラマの中で、メインの役者達が取材で、1シーン50、60テイク撮ると言っていたが、大げさ。30、40テイクは撮っていたと思う」と答えた。さらに「やればやるほど、もっと良くなるか信じているからですよね。突き詰めれば突き詰める程、良くなる」と続けた。


役所から「それは、監督の自由ですよね。素材の俳優がやり過ぎてくたびれ、煮詰まる瞬間までは、素材を生かすまでやり続けるのは監督の自由」と指摘されると「最終的には編集という武器がありますので。プロなので持って来るし、すごいですが、セリフの間、ニュアンスがかみ合うまで撮りたいというのはある」と答えた。役所との接点については「数年前、大河ドラマ『いだてん』で、ご一緒しましたけど、役所広司という俳優はすごいと思った。サブ演出で参加しましたけど、出るギリギリまで、セリフをブツブツ言っている。セリフを逃がさない姿は、すごいなと思いましたね」と振り返った。


役所は、さらにこだわりについて聞かれると「素材を生かすために醸造家が、ああでもない、こうでもないと言い日本、世界の人を驚かせたいと思うのは、全く同じ」と、ビール造りと映画製作は通じるものがあると指摘。その上で、必要な要素として「僕達にとっては、作品に向かう情熱。お客さん達の驚いた顔のために向かって努力する。手を抜いてはいけない。限界まで丁寧にやるしか…作品にかける、良い物を作りたいという情熱が、作ってくれるのではないでしょうか?」と答えた。さらに「俳優の仕事って、たくさんの人の前に立って、自分じゃない人間を生きるわけですから、準備するものが多ければ多いほど、自由になれる気がする。俳優は俳優の準備がありますけど、衣装、メークを準備してくれて、どんどん役になっていく。牛耳るのが監督」と答えた。


23年の主演映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)で、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)で男優賞を受賞し、世界の頂に立った役所だが、若い時は「非常に、いいかげんにやっていて。昔の先輩は前の晩にビールを飲んで二日酔いでいて、それでいいんだと思っていた」と笑いながら振り返った。年齢を重ねた今は「先が見えてくると1カット、1カット、丁寧に情熱を持ってやらなければいけないと思うようになりました」という。


大根監督は、自身のこだわりについて「現場では軽い存在でいよう、監督って呼ばれないくらい、これって違うんですか? と意見をされるくらいの軽い存在でいたい」と答えた。役所から「素晴らしいですね」と絶賛されると「これだけの方なのに、存在で威圧することなく、現場でフラットでいてくれる」と語った。


役所は、この日、麻布台ヒルズを初めて訪れたという。「ビールが、おいしい季節になってきました。こういうところで、マスクを外して、みんなで飲みたいですね」と笑みを浮かべた。

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