鈴木亮平(42)が25日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「花まんま」(前田哲監督)初日舞台あいさつで、有村架純(32)演じる妹の結婚式のシーンでのスピーチを、自らの言葉をもとに作り上げた裏話を明かした。
「花まんま」は、作家・朱川湊人の代表作。鈴木は、死去した両親と交わした「兄貴はどんな時も妹を守るんや」という約束を胸に、たった1人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・加藤俊樹、有村は、結婚を控えながら、別の女性の記憶を持つとい秘密を抱える妹フミ子を演じ、兄妹役として初共演した。
鈴木は「今回のような良い脚本になると、役の本心が書かれていない。裏にどういう気持ちがあるのが大事で、どう作っていくかを考える。お父さんを亡くして、お母さんも亡くした…自分の責任だというのもある」と、俊樹の役作りについて説明。フミ子との関係性については「子供時代と大人時代のフミ子は描かれるが、思春期が描かれていない。架純ちゃんが演じたフミ子は思春期、大変だという設定」と説明した。
俊樹がフミ子の結婚式で口にしたスピーチのシーンについて、前田哲監督は「亮平さんにアイデアをいただいて、臨場感あふれるスピーチになった」と振り返った。鈴木は「何より、映画館で見てくださるお客さまが1時間半くらい、兄妹とかみんなの人間関係性を見て、参列者として見守っていただくには、どうしたらいいか、考えた」と着想のポイントを紹介。「台本に書かれたセリフではなく、俊樹が思い付いたことをしゃべっている感覚になってもらうには、どうしたらいいんだ? と考え、現場で感じたものを言葉にしようと」と明かした。
前田哲監督をはじめ製作陣と相談し、撮影中に感じたことを現場で言葉にしていこうというプランになった。まず、子供時代の兄姉のシーンが参考になったという。「子供のシーンを見た時、うさぎの人形があった。射的で取った、というところから広がった。現場で感じたことを含めて、最終的に数日前にできあがったシーン」と語った。
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次に、亡くなった実父のことも、スピーチに盛り込んだと明かした。「撮影が地元の神戸だったので、うちの父が、もし生きていたら妹の結婚式のスピーチをやる、どうなるんだろうと思いをはせながら。妹を溺愛してるから、あんなきれいにはしゃべらないだろうな。大阪人だから笑いを取りにいくやろうな…おやじやったら何と言うやろうなと詰め込んだ」と明かした。
有村は「やっぱり、セリフではなかったですね」と吐露。「にいやんの生きている声というか。だから何度、聞いても、ずっと鼻がツーンとなったり、目頭が熱くなる不思議な時間でした」と振り返った。
フミ子の婚約者で、カラスを研究する動物行動学の助教・中沢太郎役の鈴鹿央士(25)も「にいやんの心の底から魂がこもった、込み上げてくるものがあったすてきなスピーチ」と語った。
俊樹の幼なじみで、お好み焼き屋の看板娘・三好駒子役のファーストサマーウイカ(34)も登壇した。
◆「花まんま」大阪の下町で暮らす二人きりの兄妹。兄・俊樹(鈴木亮平)は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子(有村架純)を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子の“秘密”が今になってよみがえる。
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