2年目の東京大会はコースを一部変更か。週末2レース化は「ファンの需要に応えるため」とフォーミュラEドッズCEO

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2025年04月25日 21:30  AUTOSPORT web

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2024年3月30日に開催された2023-24年フォーミュラE第5戦『Tokyo E-Prix』のスタートシーン
 2025年も江東区有明の東京ビッグサイト周辺で実施される、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の東京大会。前年に続く2度目の開催を3週間後に控えた4月25日、『Tokyo E-Prix メディア説明会』がオンラインで行われ、フォーミュラEオペレーションズのジェフ・ドッズCEOが、シリーズの概要を説明するとともにメディアからの質問に答えた。

 フォーミュラEは、世界最高峰のモータースポーツであるF1をはじめ、WRC世界ラリー選手権やWEC世界耐久選手権などと並ぶFIA国際自動車連盟公認の世界選手権だ。このフル電動フォーミュラシリーズは現在、2014-2015年の初年度から数えて11年目のシーズンを迎えており、世界規模のファンベースは四輪最高峰のF1と二輪最高峰のMotoGPロードレース世界選手権に次ぐ約3億7000万人を数え第3位に位置する。

 ドッズ氏は、同4位のSBKスーパーバイク世界選手権を含めたこれらの比較対象のファンベース増加率が頭打ちとなっている一方で、フォーミュラEが2023年から24年にかけて「23パーセントの成長を記録」したことを強調した。さらに、初期の“GEN1”マシンから現在の“GEN3エボ”、そして来シーズン登場する“GEN4”と世代を重ねるごとに向上するパフォーマンスと、それを実現させているパートナー企業の電動パワートレインやバッテリー、ソフトウェア関連のテクノロジーの進化をアピールした。

 プレゼンテーション後の質疑応答では、週末2レース制となる今季の東京大会に関する質問に答えたドッズ氏。見どころと期待することについて尋ねられると、次のように語った。

「レースデーはフリープラクティスから予選、決勝まですべて一日で完結する。レースは非常に競争が激しく、見ていて楽しいと思う」

「東京での開催は今年が2年目だ。2024年が初年度となったが、土曜日のみだったレースのチケットは、ホスピタリティ、一般の観戦席ともにすぐに完売となった。今年はダブルヘッダーとなるので土曜と日曜の両日レースが行われる。そこで私が期待するのは、2日間ともふたたびすべてのチケットが完売することだ」

「そして昨年から継続して、今後も東京都の小池百合子知事と協力し、フォーミュラEが可能とする環境面でのサステナビリティなどのメリットを啓蒙していきたいと考えている」

 あらためて、土曜日のみの1戦から土日各1レースとした要因を問われたドッズ氏は「需要に応えられなかった」ことを挙げた。

「先ほども述べたように昨年、東京ラウンドのチケットを発売した際、本当にすぐに売り切れてしまった。つまりファンの需要に応えきれることができなかったということだ。このことから、今年は東京都と協力してダブルヘッダーを行うことにした」

 東京ビッグサイトを囲むように設定された特設コースは、2024年のレースを見る限りオーバーテイクが難しいトラックレイアウトであるように見える。ドッズ氏もこの点を認めたうえで次のように語った。

「昨年の東京のコースは非常に伝統的なストリートサーキットのレイアウトだったと思う。とてもタイトだった」

「2025年大会に向けては、少々レイアウトを修正することを計画しているが、昨年のレースは競争をとても高める内容で、個人的には非常に良かったと捉えている。そのため大幅に変えるというよりは小規模に変更する程度だ」

 これに関連して、会場が将来的に湾岸エリアとは別の場所に移る可能性があるかと尋ねたオートスポーツwebの質問に対しドッズ氏は、「東京都とつねに話していることではあるが、レースを開催するうえでは安全面やオペレーションの観点から慎重に決めていかなければならない」と答えた。

「どういった場所で実施するのがいいのかは東京に限らず、すべてのレース開催地で検討されている。私としてももちろん、『あの場所でできたら』というようなアイデアはある」

「だが、やはりどうなるかというのは、今後も東京ラウンドが継続していくことを前提に決めていく必要があり、とくに“GEN4”となると車体が大きくなるとともによりパワフルになるため、必然的にレイアウトの変更や移動といったことも考慮に入れるべきことになると思う。しかし、最終的な開催地は必ず東京都との協議のもとで決めていくことになる」

 現在シリーズにコミットしているニッサンは先月、2030年までの継続参戦を発表。同じくヤマハも今月10日に、2027年以降の参戦継続を正式発表した。

 この日本メーカー2社のアナウンスを受け、「ヤマハとニッサンの声明は、私たちにとって非常に重要」であると同氏は認めた。

「現在の自動車産業は、北米における関税の状況もあり非常に難しい局面を迎えている。そういった中でフォーミュラEを『信頼している』『これからも信頼し、サポートをし続ける』という意思を、より長期的な観点で示してくれたことを非常に嬉しく思っている」

 今季2024-2025年からローラ・ヤマハ・アプトとして参戦を開始し、デビュー5戦目で早くも表彰台を獲得したヤマハの活躍はもちろん、初開催の東京ラウンドでわずか0.755秒およばずの2位で母国優勝を逃したニッサン・フォーミュラEチームの“リベンジ”が懸かるシーズン第8戦&第9『Tokyo E-Prix』は、来月5月17〜18日に開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年04月25日]

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