青葉賞に出走予定のファイアンクランツ(撮影:山中博喜) 日本ダービーと同じ舞台で行われ、上位2着馬までに日本ダービーへの優先出走権が付与されるトライアルレースだが、過去10年間でこのレースをステップとした馬は[0-0-2-19]。ただし、今年は1週間ほど早めての開催となり、傾向が変わるかもしれない。馬齢重量戦とはいえキャリアの浅い馬同士の1戦だけにしっかりと見定めたいレースだ。
◎ファイアンクランツはゆりかもめ賞2着、すみれS3着。いずれも後方待機策からメンバー最速、あるいは最速タイの末脚を繰り出しながらも道中の位置取りの差がそのまま着順へと結びついてしまった。まだ気性に幼さを残すために、これまでは自分からは動けず、どこか不完全燃焼のようなレースを続けていたが、今回は勝ちに行かなければならないレースだ。距離コースを経験している強みを生かしたい
〇ゲルチュタールは葉牡丹賞2着でゆきやなぎ賞の優勝馬。キャリア1戦で挑んだ葉牡丹賞は勝ち馬を上回る末脚を繰り出しながらもレコード決着のハナ差2着。この時アタマ差に抑え込んだのはのちの共同通信杯で3着となるリトルジャイアンツだった。前走のゆきやなぎ賞は前半1000m60.8秒というスローペースの流れを先行し、早め先頭からそのまま押しきった。切れないがバテない印象だ。
▲エネルジコはセントポーリア賞優勝馬。このレースではスタートで大きく煽り後方から。半マイル通過48.3秒、前半1000m60.8秒というスローペースを後方インで脚を溜め、最後の直線では最内から大外に持ち出されると一気に前を飲みこんだ。デビュー戦もゴール前2ハロンが11.3秒、11.1秒というレースラップの中で豪快な追い込みを決めており、まだ底を見せていないのが魅力だ。
△レッドバンデは中山競馬場芝2200m3歳未勝利戦優勝馬。2月のデビュー戦は先行馬が残る展開の中で3着まで追い上げるの精一杯だったが、前走は1000m通過61.5秒というスローの流れを後方イン待機。勝負どころから外に持ち出されると楽に抜け出した。レースラップが11.8秒、11.5秒、11.4秒だったから価値が高い。ほかでは豊かな心肺機能が垣間見える△アマキヒと、良い決め手を持っている△マテンロウバローズも押さえたい。