クアルタラロ、3年ぶりのポール獲得。スプリントは転倒も「シーズン最高の日」/第5戦スペインGP

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2025年04月27日 13:20  AUTOSPORT web

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クアルタラロ、3年ぶりのポール獲得。スプリントは転倒も「シーズン最高の日」/第5戦スペインGP
 4月26日、2025年MotoGP第5戦スペインGP MotoGPクラスのスプリントがヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのアレックス・リンスは15位でフィニッシュし、ファビオ・クアルタラロは転倒リタイアで終えている。

 前日に引き続きアンダルシアの地は土曜日も晴天に恵まれた。気温17度、路面温度26度で行われたフリー走行2回目は、ほぼ全車がミディアム/ソフトのタイヤコンパウンドを選択。ヤマハの2台も同じ組み合わせでコースインした。

 この後に控える予選、スプリントを占うセッションだったが、他車のクラッシュにより走行開始4分足らずで赤旗中断。走行は仕切り直しとなった。

 セッションが再開され、好調のクアルタラロは早々に2番手タイムをマークしたが、それとほぼ同じタイミングでリンスは6コーナーで転倒。しかし不幸中の幸いか、リンスはコースに復帰し自力でピットへ戻ることができた。

 その後セッションは進んで残り約13分になったころ、ほぼ全車がピットイン。この時点でクアルタラロはトップに立ち、最後のランに備えてリヤタイヤをエイジの若いものに交換した。

 セッション終盤はタイムアタックが激化。各車がベストタイムを更新していったが、クアルタラロのタイムは2台に抜かれたのみで、3番手でFP2を終えた。

 一方、リンスはセッション残り7分を切ったころ今度は4コーナーで転倒。ライダーは自分の足で立ち上がることはできたものの、高速での転倒であったためその後のセッションへの影響が心配された。

 続けて行われた予選Q1の開始時、コースにリンスの姿はなく、メディカルチェックを受けているとの情報が流れた。このまま出走できないかと心配されたが、残りおよそ3分ごろリンスはコースに復帰。結果こそ最後尾の23番手だったが、後に控えるレースへ出走できるコンディションであることが確認された。

 予選Q2からのスタートとなったクアルタラロは、序盤からハイペースを披露。最初のランでいきなり2024年にフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が記録したコースレコードに肉薄する1分36秒台フラットのタイムを2周連続で叩き出した。

 リヤタイヤを新品に入れ替えて臨んだ2回目のランでは、残り3分を切ったところで自己ベストを大きく更新する1分36秒684をマーク。しかし、このときすでにマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が0.041秒速いタイムを記録しており、これを更新するべくクアルタラロはそのまま2周目のアタックを敢行した。

 そして、そのアタックラップで新たなコースレコードとなる1分36秒610を記録してトップに立ち、セッションは終了。クアルタラロにとって2022年の第2戦インドネシアGP以来となる、1134日ぶりのポールポジションを獲得した。

 午後のスプリントは気温24度、路面温度45度と今大会のなかで一番高い路面温度。このコンディションに対して、すべてのライダーがミディアム/ソフトを選択した。

 スタートを決めたのは2番グリッドのマルク・マルケスで、1コーナーのブレーキングまでのわずかな距離でクアルタラロの前に出た。しかしクアルタラロも意地のブレーキングで応戦しトップの座を奪い返す。

 先頭を死守してオープニングラップを終えたクアルタラロは、そのままハイペースで3番手以降を引き離していった。しかし2番手のマルク・マルケスだけはそのペースにキャッチアップし、2周目のバックストレートでクアルタラロを捉えて6コーナーのブレーキング勝負に持ち込んだ。

 ここでマシンの挙動を乱したクアルタラロは、そのままスリップダウンし転倒。期待も大きかっただけに悔しい結果となった。

 一方、最後尾スタートのリンスはスタートで順位を上げ、20番手で最初のコントロールラインを通過。そのまま安定して1分38秒台のタイムを並べ、他車の転倒もあり6周目には16番手まで浮上する。

 さらに10周目、前を行くラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)を攻略。勢いそのままにラウル・フェルナンデスを引き離し、スタートから8ポジションアップとなる15位でフィニッシュした。


ファビオ・クアルタラロ(予選:1番手、スプリント:リタイア)

「予選Q2は1分36秒0から始まったが、わずか1回の走行でブレーキングをハードに遅くしただけで0.4秒も縮められるとは思っていなかった。素晴らしい2ラップを経験でき“スーパーハッピー”だね。ポールポジションに戻って来られたことは、メンタル的にも最高の気分だ」

「今週は非常にペースがいいので、スプリントでも表彰台を狙えたはずだ。走りを楽しむことを一番の目標にしながら、できるだけ長くレースをリードしたいと考えていた。1コーナーでマルク(マルケス)をパスし、しばらくの間は前に誰もいなかった。でも1周半くらいあとにストレートでマルクが接近してきて、マシンが激しく揺さぶられ始めたんだ。そのあと少し大回りになり転倒してしまった」

「それでも全体的には非常にポジティブな一日だったと思っている。FP2のあとからずっとペースがよく、予選でポールポジションを獲得し、スプリントをリードしたのだから。もちろん、表彰台に立ちたかったが、そうでなかったとしても今日はシーズン最高の日だ。明日を楽しみにしている。全力でライバルたちにぶつかっていくつもりだ」


アレックス・リンス(予選:23番手、スプリント:15位)

「FP2の転倒はかなり激しいもので、2度目は最悪だった。ハイスピードからフロントを失って転倒し、エアフェンスに突っ込んで壁にぶつかってしまった。あのスピードからの転倒にしては、なんとか大丈夫だった。右小指と膝に少し痛みがあったのでメディカル・センターへ行って検査を受け、手首の小さなひびも見つかった。スプリントは自分のコンディションを確認するための出場だった」

「今は疲れと痛みがあるが、スプリントは僕たちにとって重要なものだ。100%のコンディションではないが、依然としてやるべきことがある。ファビオ(クアルタラロ)からかなり離されてしまっているので、もっと頑張らなければいけない」

[オートスポーツweb 2025年04月27日]

このニュースに関するつぶやき

  • タラちゃんドゥカティの牙城を崩すなんてすごい!ドゥカティ以外がポール取るなんて何年振り!
    • イイネ!1
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