ジャーナリスト田原総一朗氏(91)が司会を務めるBS朝日「朝まで生テレビ!」(毎月最終日曜午後7時)が27日、放送され、米価格高騰を巡る議題で、マスコミの報道について識者の意見が分かれ、紛糾する一幕があった。
番組では物価高の話題の中で米価格についても議論。出席者からさまざまな要因が上がる中、日本維新の会の阿部司衆院議員の発言中に、田原氏が「なんで米の価格がこんなに上がっているの?」と問いかけた。
阿部氏は「まず思うのが、いろいろあるんですけど、メディアも結構騒ぎ立てすぎなんじゃないかな、と思っています。発端が、南海トラフの地震の時に『地震起こるぞ』というところで買い付け騒ぎが起こった。1970年代のオイルショックの時と非常に状況が似ていて、かなりあおりたてて、その結果みんな買い占めに走って、そのような状況がひとつあると思います」と一因をあげた。
その後、他の出席者から別の理由などもあげられた後、テレビ朝日報道局政治部長の藤川みな代氏が「私も一言お伝えしておきたい」と前置きして発言。「先ほど『メディアがあおっていた』というご発言がありましたけれども、メディアとしても過去の様々な品不足の時の報じ方を研究してまして、やはり消費者がより不安になるようなことがないように、ということもちゃんと意識して、事実関係を淡々と伝える、ということで、あおるというようなことがないことを非常に注意している」と語った。
ただ、この発言にかぶせるようにして、報道番組などにも出演する経済評論家の加谷珪一氏が異論をあげた。加谷氏は「いや、これね、藤川さん、そうおっしゃると思うんですが、私、何回も番組に呼ばれて、基本的に昭和の時代から米の消費量は半分になっちゃっていて、ちょっと増やすと値崩れするから、農家はそう簡単に増産できませんよ、と。ここで外国人もいっぱい入ってきて、ちょっと需要が増えちゃったら、外食産業は今日定食が出せなかったらもう店じまいですから、みんな確保しようとするんですよ。だから根本的には消えた米ではなくて…米が消えたって最初、農水省が説明していたんですね」と指摘すると「マスコミは全部それを垂れ流していたんですよ。テレビに出る度に『違います、違います』と言ってましたが、ほとんどのテレビ番組が、農水省が言うとおり『消えた米』って言っていたんです」と私見を語った。
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これに対し藤川氏は「そもそも農水省が、現在の消費量と、供給量を把握できてないということが問題」と提起。ただ加谷氏は「(農水省は)間違ってますよ、後で農水省は訂正したんです。ただマスコミが(当初)その情報を垂れ流したのは事実で、マスコミはもっと検証して報道すべきだと私は思います」と、主張が平行線をたどった。
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