
京都府精華町の男性が、日々の自転車の手入れで抱いた疑問から工夫を重ね、8年がかりでチェーン清掃具を開発して販売にこぎ着けた。「自転車に詳しくない人も使える製品を目指して、納得いくまで手直しを続けた。気軽に使えるので、自転車をもっと楽しんでもらいたい」と話している。
自動車整備士の和田将克さん(49)。自身のロードバイクのチェーンを市販の洗浄液で掃除するたび、液が垂れて床が汚れる不満があった。自転車店に相談しても解決策が見つからず、自作を思い立った。
試作に取り組み、理化学研究所(精華町光台)へも売り込みに訪れた。2021年からは、京田辺市などが起業家や学生向けに機材を整えた「京田辺ものづくり工房D―fab」(同志社大京田辺キャンパス内)を利用。大学生にPR文を添削してもらうなど工房内の交流も役立て「物作りを志す人が集まるからこそ、協力が生まれる」と話す。
完成したのは、2枚のブレードの内側にゴムやプラスチックの板を多数配した製品。チェーンを挟んでペダルを回すと汚れがかき出される。「チェーンクリーニングブレード」と命名し販売を決めた。京田辺市によると、把握している限りD―fabの利用者で商品化したのは初めてという。
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(まいどなニュース/京都新聞)