インタビューに応じる米シンクタンク「タックス・ファンデーション」の前所長、スコット・ホッジ氏=3月31日、ワシントン 【ワシントン時事】米シンクタンク「タックス・ファンデーション」の前所長、スコット・ホッジ氏は、実業家イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」が進める米政府機関縮小や政府職員の大量解雇に関し、「極めて無秩序だ」と批判した。28日までに時事通信のインタビューに応じた。
ホッジ氏は、DOGEが「各省庁と衝突し、深い考えもなく職員を解雇しているようだ」と懸念。「施策の理由を伝えず、国民を不安にしている」との見方を示した。
さらに、「政府機関縮小は、非常に秩序立った戦略的なやり方で行うべきだ」と強調。「歳出削減を、特定の人やグループを罰するために使わないでほしい」と述べ、「多様性、公平性、包括性(DEI)」や気候変動対策関連の予算を狙い撃ちにするトランプ政権に苦言を呈した。
ホッジ氏は一方で、トランプ大統領は歳出削減の痛みに対する批判が自らに降り掛かるのを避けるため、マスク氏やDOGEを使っていると喝破。「DOGEは、政治家が嫌がる厳しい決断を代行しているようなものだ」と述べた。
DOGEはこれまでに、1600億ドル(約23兆円)の削減を果たしたと主張している。ただ、ホッジ氏は「こうした数字がどれほど正確かは分からない」と指摘。また、予算編成権を持つ米議会が支出カットを承認しなければ、「納税者に還元されることも、財政赤字削減に使われることもない」と話した。