【成宮寛貴主演の闇深ドラマ】『死ぬほど愛して』原作者と一緒に作り上げた“オリジナル要素”

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2025年04月29日 06:10  web女性自身

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成宮寛貴の8年ぶり俳優復帰作として話題になり、個性的で闇深いキャラクターたちと、先の読めない衝撃的な展開で反響を呼んでいるABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』(「ABEMA」にて毎週木曜夜11時より無料放送、Netflixでも同時配信中)。



本作は、累計発行部数1億以上突破のヒット作『金田一少年の事件簿』などで知られる天樹征丸氏の同名漫画が原作の純愛サスペンス。幸せな結婚生活の裏で巻き起こる「女性記者殺人事件」を発端に、やがて「究極の愛」と「狂気」に翻弄されていく神城真人(成宮)と澪(瀧本美織)の夫婦の物語であり、鬼才・城定秀夫監督がメガホンを握る。



今後の展開が気になる『死ぬほど愛して』について、プロデューサー・小林宙さんに番組制作の裏側を語ってもらった。



■『死ぬほど愛して』は「後半になればなるほど面白くなる」



私はこれまで地上波の連ドラを多く手掛けてきたのですが、地上波の連ドラは1話の視聴率が一番高いことがほとんどです。『死ぬほど愛して』もその傾向があるのですが、このドラマに関しては、心の底から「もし1話で離脱した方がいたら、絶対面白いので見続けてくれないかな」と思って、これを書いています。



ある程度編集が進んだ状態で第1話を放送したのですが、先々の内容は右肩上がりに面白くなり、特に3話以降、加速度的に楽しめるようになっているのがわかっていながら、1話の放送をしておりました。



なので、気持ち的には、逆に1話の内容がどう思われるか不安だったのですが、ご覧いただけた方には「面白い」という感想をもらえることが多く、安心しました。



たぶん後半、面白すぎるんです。ただ、一方で序盤の話は「見方がわからない」「何の話かわからない」といった感想もあったので、「謎だらけ」というのは狙いではあったものの、現在5話まで放送したことで、改めてこのドラマはどういったものなのかをプロデューサーという立場から言いたいです。



『死ぬほど愛して』は、成宮寛貴さん演じる「殺人鬼・神城真人が何者なのか?」という物語です。そう思って、1話、2話見ていただいても大丈夫です。なので、放送前の宣伝も、真人が殺人鬼であることは隠していませんでした。逆に、真人が殺人鬼であると思って見てもらえると、1話からの真人のいろんな行動の裏側を推察できたり、セリフもダブルミーニングを感じられて面白いと思います。何度も見返せる配信であることもあり、地上波ドラマほどわかりやすく作ってはおらず、作っている私でさえ、見るたびに再発見があるので、見れば見るほど奥深いドラマになっています。



そして個人的には、私の願いでもありますが、8話まで見た後で、成宮寛貴さん、瀧本美織さんのご出演作品の中でも最高傑作と言われるようなドラマになって欲しく、またそれに見合うクオリティの自信作なので、是非期待して続きを見ていただければと思います。間違いなく、後半になればなるほど面白くなります。



■「20代前半の真人」を誰が演じるかという悩みを解決した“20分の作業”



『死ぬほど愛して』は、神城真人の大河ドラマのような内容で、幼少期から40歳くらいまでの真人の話です。過去の描写が何段階か出てきますが、「幼少期」、「整形前の20代前半」、「整形した後の20代前半」、その3段階が過去で、それに加えて「今」が出てきます。



真人を演じてる役者さんもその都度変えていて、幼少期を子役の大熊大貴さん、整形前の20代前半をカルマさんに演じてもらいました。



大熊さんが演じる「妹思いの優しいお兄ちゃんの中にも狂気が芽生えるところ」や、カルマさんが演じる「人生に絶望しつつ殺人鬼になって成り上がろうとする様」などは、まさに熱演で、印象深く描けたと思っています。原作の天樹さんから、幼少期と、20代前半に人を殺してしまうところは、特にしっかり描いて欲しいと言われてまして、ドラマとしても丁寧に描き、力を入れました。大熊さん、カルマさんも我々の期待に十分応えてくださりました。



それで作り手として、過去の最後の1段階、整形後の20代前半を誰にやるのか、非常に悩みました。今の真人より15年以上前の設定で、成宮さんご本人でやっていいものかどうか。変に若作りすると浮いてしまうのではないか。



ですが、結果、やりました。やはり陸続きで同じ人でやらないと、今の真人が表現できないと監督と相談して、そうしました。



ただ、いつもはメイクや髪型だけで若返りするのですが、今回はちょっとした特殊メイク的なことを施しています。ほんの少しテープでリフトアップしています。20分ほどの作業に過ぎないのですが、どことなく若いように見えると思います。その自然さに、個人的にはとても感動しました。確かに若く見えて、それでいて今の成宮さんにしっかりとつながっていっています。もちろん、何もしない成宮さんでもまだまだ若く見えるというのはあるとは思うのですが、この若返りメイクは私生活でも使えるんじゃない?と思えるくらいナチュラルでした。



5話で、ホストの格好で大暴れするところや、お客さんの彩(青山倫子)に言われて、図書館に行き、教養を身につけ、最強の殺人鬼になっていく過程が、成宮さん本人で違和感なく描けてとてもよかったです。



ちなみに真人がある意味「いい男」になるために知性を身につけるために図書館で持っている本の中に心理学もありまして、水樹(松井玲奈)の心理テストの追求から逃れるための心理学の知識は身につけていたことを表現しています。ながら見だとなかなかわからないですが、細部も辻褄があっているようにこだわって作っています。またこの時持っている本にはないのですが、度々見え隠れする毒の知識もここから独学で学んだ設定にしています。



■原作者と語りつくして作り上げた「ドラマオリジナル要素」



5話で、心理カウンセラーであり澪の友達である水樹が、真人を疑いつつ、絵を描かせてその深層を探る描写は、実は原作漫画にはありません。



水樹が真人の正体を少し疑う要素は原作にもあるのですが、「疑う」止まりになっています。



原作の天樹征丸さんに聞いたら「水樹は、何か面白く描けると思っていたのだが、真人の過去や、事件の真相で内容が埋まってしまった」と言っていたので、ドラマとしては、水樹のキャラクターを育てたいと思いました。現在軸で真人が疑われている状況を、過去の真人の謎解きと同時並行で描きたかったのですが、そのシーンを水樹を通して「何か面白く描く」ことに挑戦しようと思いました。



それを天樹さんに相談したところ、「バウムテスト」について教えていただきました。バウムテストとは、「一本の樹木を描くことによって描き手の内面がわかる」という心理テストのことです。天樹さんと脚本の話をすると、時折お芝居しながら「こういうのどうですか?」みたいなのをやってくださるのですが、5話の真人と水樹のオリジナル部分は、天樹さんが熱演しながら考えてくださりました。感謝です。



■6話ついて



真人がピンチの回であり、動きがあり、とてもエンタメとして楽しい回なのですが、実は6話が一番「真人とって愛とは何か?」を考察できる回になっています。



「真人は何者か?」の物語ではありますが、純愛サスペンスの根幹は変わりません。たぶんとても面白く見れてしまう物語なのですが、見終わった後に真人の恋愛観や女性観について、少しでも考察見てくださると嬉しいです。



「純愛」って何でしょうね? 「super special love」って何でしょうね? そして何よりも真人がとてもかっこいい回です。是非お楽しみください。

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