歌舞伎の大名跡「尾上菊五郎」8代目が誕生 史上初の菊五郎2人体制に7代目が呼び名を提案

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2025年04月29日 19:25  日刊スポーツ

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「古式顔寄せ手打式」で手を締める、前列左から6代目尾上菊之助、8代目尾上菊五郎、7代目菊五郎(C)松竹

菊之助あらため8代目尾上菊五郎(47)、長男の丑之助あらため6代目尾上菊之助(11)が29日、東京・歌舞伎座で行われた「古式顔寄せ手打式」をもって、正式に新しい名前となった。2人は「團菊祭五月大歌舞伎」(5月2〜27日、歌舞伎座)から始まる襲名披露興行を前に決意を述べた。8代目の父で7代目菊五郎(82)との史上初の菊五郎2人体制となる。


歌舞伎俳優95人と舞台関係者10人、計105人が舞台にそろった。7代目による2人の紹介に続き、8代目が「尾上菊五郎の名跡を8代目として襲名いたす運びと相成りましてございます」と、「8代目」に力を込めてあいさつした。「初代が、菊五郎を名乗り約300年。2人の菊五郎が史上初めて並び立つことになりましてございます。重き名跡を相続いたしたからには、なお一層芸道の精進に励みまして、先祖の名に恥じぬよう努力してまいる覚悟にございます」と述べた。


菊之助は「大きな名跡を襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優になれますよう、なお一層精進いたします」と声を響かせた。


初代菊五郎からの歴史をたどる特別映像「菊重扇面影(きくがさねはなのおもかげ)」や、3月31日に神田明神で行われた襲名記念のお練りの様子が上映された。また、名前が変わって初の舞台となる舞踊「七福神」を8代目と菊之助が披露し、大きな拍手が送られた。


この日は特別な興行の時にかけられる「祝幕」が、「團菊祭−」を前に一足早く披露された。終演後、祝幕の前で2人が取材に応じ、8代目は「襲名のことを父から披露してもらい、出発できましたことは生涯忘れることはございません」と話した。「雲上富士」と名付けられた祝幕を見て「日本一高い山を目指して、親子でこれからも一生懸命頑張ります」。


菊之助は「すごく緊張していたんですが、ずっと口上を稽古していたのですらすら言うことができました」と言うと、8代目が「親子ともども緊張していました」と応じ、ホッとした表情を見せた。


菊五郎が2人になることで、どう呼んだらいいのかという質問には「父は楽屋で『七っちゃん、八っちゃんと呼んでくれ』と。父らしい発言でございました」と、父の発言を紹介して笑わせた。


襲名披露興行は、5、6月の歌舞伎座から始まり、全国各地で行われる。【小林千穂】

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