襲名披露の「古式顔寄せ手打式」であいさつした尾上菊之助改め八代目菊五郎さん(前列中央)=29日、東京都中央区(松竹提供) 歌舞伎俳優の尾上菊之助さん(47)が29日、東京・歌舞伎座で開かれた特別公演で八代目尾上菊五郎を襲名した。江戸歌舞伎を代表する大名跡。満員の客席からは「音羽屋」(菊五郎家の屋号)などと掛け声が飛んだ。
公演では、5月からの襲名披露興行を前に出演者や関係者がそろって手締めをする「古式顔寄せ手打式」が行われた。通常は非公開の行事を今回は特別に披露。壇上に約100人が居並ぶ中、菊之助改め八代目菊五郎さんは「重き名跡を相続した上からは、なお一層芸道精進に励み、先祖の名に恥じぬよう努力してまいる覚悟にござります」とあいさつ。長男の尾上丑之助さん(11)も同時に六代目菊之助を襲名した。
新菊五郎さんの父で人間国宝の尾上菊五郎さん(82)も引き続き七代目菊五郎を名乗る。式の後、取材に応じた新菊五郎さんは「史上初めての(菊五郎)2人体制を応援していただけるようにこれからも励む」と語った。
襲名披露興行は5、6月の歌舞伎座公演を皮切りに、2026年6月まで各地を巡演する。

八代目尾上菊五郎襲名の「古式顔寄せ手打式」で、舞台上に勢ぞろいした歌舞伎俳優ら=29日、東京都中央区(松竹提供)