
【写真】早すぎる退場となり視聴者騒然となった加瀬亮の“ラストシーン”
舞台は昭和初期。男の子顔負けで元気に駆け回る少女“ハチキンおのぶ”こと朝田のぶ(今田美桜)と、父を亡くし、東京から伯父のもとにやってきた少年・柳井嵩(北村匠海)との出会いからスタートした『あんぱん』。非常に“朝ドラらしい”爽やかな序盤だったものの、初週でのぶは父を亡くす、2週目には嵩の母が出ていく…と、かなり重い展開も続いた。大きくなったのぶには、「女子だから」という理由で行動を制限されたり、嵩もやりたいことを我慢して親の希望を叶えようとしたりと、“昔の話だから”では片づけられない、現代を生きる我々にも身に覚えがあるような苦しさも経験。しかし、そんな逆風にも負けないのぶの底抜けの明るさによって、『あんぱん』は日本の春の朝を明るく彩っている。
■早くも“ロス”広がる…「今月の退場者」に衝撃
まだ始まって1ヵ月の『あんぱん』だが、大物俳優の“退場”に早くも衝撃が走った。第4回で、加瀬亮演じるのぶの父・結太郎が仕事先にて病死したという衝撃の知らせが朝田家に飛び込んでくる。この突然の別れにネット上では「ちょっと待っていろいろ怒涛過ぎて…情緒ーー!!」「まだ第1週ですよ…」「4日目にして早くも結太郎さんロス」などと驚きと悲しみの声があふれた。
結太郎とは“早すぎる別れ”を強いられることになってしまったのぶだが、父から受け取った言葉や思いは成長してもずっと心に残り続け、のぶの進路に大きく影響を与えることになる。
のぶ&嵩の子ども時代を演じた永瀬ゆずなと木村優来も、放送2週目を終えて今田美桜&北村匠海にバトンタッチ。劇中ではいつも走っていたのぶを演じた永瀬は、実は「もともとは走るのが得意じゃなかった」とインスタグラムで告白。そんな永瀬には、「元気もらったよ!」「後半、また出ないかなぁ」などといったコメントも寄せられた。
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嵩のモデル、やなせたかしさんといえば、本作のタイトルにも絡められている『アンパンマン』。オープニング映像にそれらしきイラストが登場していたり、第1話では絵本のアンパンマンが現実世界に飛び出すなど、『アンパンマン』要素たっぷりだが、登場人物にも「あれ、この人もしかして」なキャラがすでに多数登場している。
まずは、阿部サダヲ演じる屋村草吉。ぶっきらぼうでいつもふらふらしている天然パーマの草吉だが、パンを焼く腕前だけは確か。そんな屋村のあだ名は「ヤムおんちゃん」…フワフワした髪、そしてパン焼き名人…これは完全に「ジャムおじさん」だろう。筆者的には、ヤムおんちゃんの性格はジャムおじさんというよりちょっと破天荒なカレーパンマンのようにも感じられるが。
そんなヤムおんちゃんのもとでパンの焼き方を学ぶのは、のぶの母・羽多子(江口のりこ)。羽多子…はたこ…そう、こちらはおそらくジャムおじさんとパン工場で働く「バタコさん」。今のところあまりバタバタはしていない、落ち着きのある母である。
そして、のぶの学友、小川うさ子(志田彩良)。幼少期からのぶのクラスメートとして近くにいたが、めでたくのぶと共に女子師範学校に合格、教師を目指すこととなった。『アンパンマン』の世界で先生といえば、うさぎのミミ先生。こちらも、深いつながりを感じざるを得ない。
そのほかにも、まだまだ『あんぱん』と『アンパンマン』のキャラクターはリンクしていきそう。この人あのキャラのモデルかも? と予想しながら見るのも楽しい。
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ここまで、いろいろと波乱万丈は経験しつつも明るく未来に向かってまい進しているのぶ&嵩だが、このあとの展開には多少なりとも身構えておかなければならないかもしれない。
というのも、ご存じの通りこのあと日本は太平洋戦争に突入。やなせたかしさんは出征、弟を戦火の中亡くされている。劇中では中沢元紀が演じる嵩の弟、千尋は、史実と同じ悲しい運命をたどってしまうのだろうか。
また、『あんぱん』での嵩はのぶに淡い思いを抱いているが、やなせさんの妻・小松暢さんは女学校卒業後に別の男性と結婚。終戦後、夫を病で亡くしてしまう。その後、暢さんは高知新聞社にて記者となるが、そこでやなせさんと出会うこととなるのだ。史実では、やなせさんと暢さんは幼なじみではない。脚本家・中園ミホによる、のぶと嵩のオリジナリティあふれるストーリーが今後も気になるところだ。
『あんぱん』では、嵩とのぶはどんな道を選び、そして共に生きる人生を選ぶのか。そして、『アンパンマン』はどのように生まれるのか。ここからさらに目が離せなくなりそうだ。
連続テレビ小説『あんぱん』はNHK総合にて毎週月曜〜土曜8時ほか放送。
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