妻夫木聡「宝島」は「導かれた」作品、宣伝アンバサダー就任「土日は全部埋まっています」

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2025年05月05日 18:15  日刊スポーツ

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映画「宝島」製作報告会見に登壇した窪田正孝(撮影・村上幸将)

妻夫木聡(44)が5日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「宝島」(大友啓史監督、9月19日公開)完成報告会見で「導かれたのかも知れない」と特別な作品だと強調した。作品の宝島宣伝アンバサダーに就任し、全国キャラバンを行うことも発表。01年の主演映画「ウォーターボーイズ」当時、映画を直接、ファンに伝えて広めた実体験を再現したいと力を込め「先々の土日は、全部、埋まっています!!」と、全国に映画を届けると約束した。


「宝島」は、作家・真藤順丈氏の19年の直木賞受賞作の実写映画化作品。米軍統治下の沖縄で、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を描いた。妻夫木は、永山瑛太(42)が演じる“戦果アギヤー”の英雄・オンの親友グスク演じた。予定外の戦果を手に入れた直後に、こつぜんと消息を絶ったオンの痕跡を、警察官になって追う役どころだ。


妻夫木自身、コザを舞台にした06年の映画「涙そうそう」に主演しており、沖縄には深い思い入れがある。『涙そうそう』も舞台がコザで、縁があると思った。原作を読ませていただき、『涙そうそう』で出会ったコザの人たちと、いまだに仲良くしていて…一番、知る自分だからこそ導かれたのかなと」と熱く語った。「今もまだ続く問題もあるし、声にならない声を芝居にしなければ逝けないと思った。親友が2人いて、役作りにガマに連れていってもらった」と役作りを振り返った。現地の美術館では涙したという。


米国だった戦後の沖縄を実写化した今回の企画は、18年6月に刊行された原作を、米ハリウッドに拠点を置くLUKA Productions Internationalの五十嵐真志プロデューサーが同9月に読み、すぐに大友監督に声をかけた。NHKに在籍中の01年に放送された連続テレビ小説「ちゅらさん」で舞台の沖縄を撮影してうた同監督は、原作にほれこみ、ともに映像化を志した。出版元の講談社とやりとりをしていた中で、19年1月16日に原作が直木賞を受賞したことで、映像化の構想がより具体的になり、同10月ころに脚本開発がスタートした。20年に全世界に拡大したコロナ禍などによる、2度の撮影延期などもあったが、24年2月にクランクインした。妻夫木は「2回ほど流れ、3度目の正直で完成。今日の日を迎え感慨深い」と口にした。


70年に実際に沖縄で発生したコザ暴動のシーンには、徹底的にこだわり、エキストラは2000人にも上ったという。妻夫木は「2000人! そんなにいたんですか?」と驚いた。コザ暴動のシーンについては、どう撮影するか検討を繰り返し、千葉の郊外に大セットを作ることで落ち着いたという。妻夫木は「次の日に『200人、エキストラ増やしてくれ』って…これから増やすのか? と」と、大友啓史監督(58)の熱量に驚いたと振り返った。


宣伝アンバサダー就任については「前に立って、会いに行って宣伝したい。宣伝という言葉が似合わないくらい、映画を越えた存在」と熱く語った。「『ウォーターボーイズ』の時、日本映画がヒットしていなくて、回って、行った土地、土地で『応援します』と言われ(映画の広がりを)体感した。この映画で、それができないかなと」と、自らの過去の成功体験が、今回の宣伝アンバサダーの活動の背中を押していると明かした。「日本の物語、皆さんの物語。受け継いだものを未来のバトンに渡さないと行けない。映画を見てもらいたい。僕は映画の力を信じている」と訴えた。

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