切り付け事件後、東京メトロ南北線東大前駅で警戒する警察官ら=7日午後、東京都文京区 7日午後7時ごろ、東京都文京区の東京メトロ南北線東大前駅で「男が刃物を振り回し、けが人がいる」と駅員から110番があった。ホーム上にいた20代男性が切り付けられたほか、取り押さえた乗客の男性も軽傷を負った。いずれも意識はあるという。警視庁本富士署は殺人未遂容疑で住所職業不詳の戸田佳孝容疑者(43)を現行犯逮捕し、詳しい状況を調べている。調べに対し、黙秘しているという。
同署などによると、戸田容疑者はホーム上で電車を待っていた20代男性の頭部などを包丁のようなもので切り付けた。その後、到着した電車に乗り込んだところを乗客の男性2人に確保された。同容疑者は無言で男性を襲撃したといい、同容疑者と切り付けられた男性に面識はないとみられる。
確保の際、2人のうちネパール人の30代男性が手の指に軽傷を負った。警察官が駆け付けた際には抵抗せず、うなだれていたという。同署は現場で凶器とみられる刃物1本を押収した。
事件発生時、駅で電車を待っていた男子中学生(12)は、乗客が車両から逃げ出す様子を見た。ホーム上には血が広がり、「突然何が起こったのか分からなかった」と振り返った。
電車に乗っていた女性(22)によると、男は複数の乗客ともみ合いになった後に確保されたという。女性は「(男が)すぐに捕まってよかった」と胸をなで下ろした。

留置前診療のため、警視庁本富士署を出る戸田佳孝容疑者(中央)=7日午後、東京都文京区

切り付け事件後、東京メトロ南北線東大前駅に集まる報道陣=7日午後、東京都文京区