写真 国内アパレル関連大手各社が、2025年4月度の既存店売上高を発表した。平年と比べて高気温だった3月から打って変わって、4月は気温が低く推移し、ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業や良品計画の衣類・雑貨カテゴリー、アダストリアなどは減収。一方、ユナイテッドアローズは業績を伸ばし、16ヶ月連続の前年超えとなった。
ファーストリテイリングの国内ユニクロは、月の中旬に気温が下がったことで夏物衣料が動かず、前年同月比1.3%減で着地。4月26日から実施したゴールデンウィークのキャンペーンは好調だったが、月中旬の不振をリカバリーするには至らなかったという。「4月後半は本来エアリズムやUTなどが売れる時期だが、気温の影響で初動が遅れてしまった」と広報担当者。アイテム別に見ると、「ユニクロ : シー(UNIQLO : C)」のスウェット、「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」とのコラボレーションパンツ、新作のバレルレッグジーンズをはじめとする春物が売れた。
良品計画の衣類・雑貨カテゴリーは同0.8%減。全体では生活雑貨と衣類カテゴリーが売り上げをけん引し、9.8%増で着地した。
アダストリアでは、春物商品の値引き販売を実施したことに加え、低気温で夏物主力のカットソーの販売が伸びず同5.0%減。アイテム別で見るとジャケット、シャツなどの羽織物のほか、新生活に向けた家具などが動いたという。
しまむらは、低気温のなか婦人、キッズのアウター衣料が売り上げを伸ばし、同1.8%増と微増。重点販売商品と位置付けた「ヘビロテ」ニットシリーズも好調だった。
衣類で見ると減収およびほぼ横ばいの企業が多いなか、ユナイテッドアローズは同7.7%増と売り上げを伸ばした。前年同月と比べて平均気温が低く、初夏物カジュアル軽衣料の動きが鈍かったものの、メンズではジャケットとスーツ、ウィメンズではジャケットとパンツが好調に推移。買上客数は前年を下回ったが、価格帯の低い軽衣料の動きが弱かったため、相対的に客単価が上昇したとしている。
■2025年4月度 各社実績(すべて既存店ベース/前年同月比)
国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)売上高:98.7%客数:98.6%客単価:100.2%
しまむら売上高:101.8%客数:100.3%客単価:101.7%
良品計画(直営既存店+オンラインストア)売上高:109.8%客数:103.8%客単価:105.8%
アダストリア売上高:95.0%客数:93.9%客単価:101.2%
ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店)売上高:102.6%客数:95.1%客単価:107.8%
ワークマン売上高:100.1%客数:95.4%客単価:104.9%
バロックジャパンリミテッド売上高:99.1%客数:93.5%客単価:106.0%