選挙運動に関する各党協議会であいさつする座長役の自民党の逢沢一郎衆院議員(中央)=8日午後、国会内 与野党は8日、選挙運動に関する各党協議会の会合を国会内で開き、SNS上の偽・誤情報対策について議論を本格化させた。グーグルなどのプラットフォーム事業者から取り組み状況を聞き取ったが、憲法が定める「表現の自由」との整合性など課題は多く、調整は難航が予想される。
座長役を務める自民党の逢沢一郎衆院議員は会合で、最近の選挙戦について「ネット上で誹謗(ひぼう)中傷、真偽不明(の情報)、明らかな偽情報が拡散され、有権者に影響を与えている」と指摘。「民主主義を発展させていくために(問題に)どう向き合っていくか、方向性を見いだしていきたい」と積極的な議論を呼び掛けた。
出席者によると、会合ではグーグル、X(旧ツイッター)、LINEヤフーから、投稿者が閲覧数に応じて収益を得る仕組みや、偽・誤情報のチェック体制について現状を聴取。事業者からは「被害者」の申し立て以外に、人工知能(AI)を使って偽・誤情報を発見し、削除するケースもあるとの説明があった。情報の認定には「非常に困難が伴う」との声も上がったという。
偽・誤情報対策を巡っては、5月2日施行の改正公職選挙法に「検討を加え、必要な措置を講じる」と明記された。協議会ではこれまでにプラットフォーム事業者の責任を明確化する法改正などが浮上。ただ、各党の間では「本当に難しい」との声が強く、検討スケジュールは定まっていない。