ルカ・マリーニ、ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)/2025MotoGP第6戦フランスGP 初日 5月9日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、ホンダHRCカストロールのルカ・マリーニは11番手、ジョアン・ミルは14番手となった。
24時間レースの舞台でもあるル・マンの地で開幕した第6戦フランスGP。気温14度、路面温度19度と低温のドライコンディションで午前中のフリー走行1回目が始まった。路面は冷えて滑りやすいため、序盤は慎重に周回を重ねる。時間が経つにつれて路面の状態が良くなっていき、2回目のランでミルが1分31秒850の5番手タイムをマークした。
最後のランにニュータイヤに変えるライダーもいたものの、ホンダのふたりはこのセッションを通して同じタイヤセットを使用した。周回数を重ねたタイヤでもタイムを更新していき、最終的にミルが14番手、マリーニが15番手となった。
FP1後に小雨が降ったもののすぐに止むと、午後は日差しが強く路面温度が30度まで上昇した。ミルを含め、多くのライダーがフロントにハードタイヤ、リヤにソフトタイヤを選択。マリーニは唯一ハード/ミディアムの組み合わせでコースインした。
マリーニは、後半のランでミディアム/ソフトに変えると、1分31秒058と自己ベストを更新して4番手に浮上する。その後は終盤のアタックに向けて前後ソフトを試し、最終アタックで1分30秒675で10番手に食い込んだ。しかし、セッション終了直前でマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が僅かに上回り、11番手となった。
一方でミルは、セッション残り約20分で最終コーナーで転倒。不幸中の幸いかピット入口に近かったため、ミルは走ってガレージに向かい、セカンドマシンに乗り換える。だが、アタックへの準備を進める前のタイミングでセットアップを詰めていたマシンを失ったことの影響が大きく、終盤のアタック合戦では、タイムを伸ばすことができずに、1分30秒821の14番手タイムに留まることとなった。
ホンダファクトリーチームの初日は、マリーニが0.053秒という極僅差で予選Q2への直接進出を阻まれたものの、良い兆候を示す走りを見せた。ミルもプラクティスの転倒まで、着実にタイムを縮めており、明日以降に挽回する可能性もあるだろう。初日のデータを元にどこまで仕上げてくるのか、予選とスプリントに注目したい。
ホンダ勢においては、ソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)が腕上がりの手術から回復が間に合わず、今大会を欠場。LCRホンダを支えるヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)は、最後のランで転倒してしまいタイムが出せず、プラクティスでは12番手となった。ワイルドカード参戦の中上貴晶(ホンダHRCテスト・チーム)は、速く走りたかったもののプランに集中していたと語っており、20番手で初日を終えている。
ルカ・マリーニ(FP1:15番手、プラクティス:11番手)
「最終的に今日はポジティブな一日だった。予選Q2を逃したのも0.1秒未満の差で、こういうときの方が逆に悔しさが大きいね!」
「ヘレスでのポジティブな進歩を確認できたし、開発の方向性としては良い方向に進んでいるよ。この調子でエンジニアと密に連携しながら進めていくことが大切であり、とても満足している。明日の目標はQ2に進出することだ。それがこのサーキットでいいレースをするための鍵になるからね」
ジョアン・ミル(FP1:14番手、プラクティス:14番手)
「正直に言って、今日は厳しい1日だった。これまでとは違うセットアップを試してみけれど、うまくいかなかった。でも、少なくとも今後のために学べたことはある。その後に、いくつか改善できたけど、本当に痛かったのは午後にクラッシュしてバイクを壊してしまったことだ」
「すぐに戻ってセカンドバイクに乗ったけども、タイムをさらに縮められるような感触は得られなかった。ポジティブな点としては、予選Q2進出まであと0.2秒以内だったことで、嬉しいサプライズだし、自分たちのポテンシャルを示せたと思う。明日は全てをうまくまとめる必要がある。でも。大きく改善できる余地があると感じているよ」
[オートスポーツweb 2025年05月10日]