主演俳優は87歳…娘と孫の家族3世代でつくった映画「劇場版 米寿の伝言」 家族愛に劇場満席

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2025年05月10日 21:42  日刊スポーツ

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「劇場版 米寿の伝言」初日舞台あいさつに登壇した、左から西本銀二郎、祖父で主演の西本匡克、西本健太朗(撮影・村上幸将)

映画「劇場版 米寿の伝言」(ガクカワサキ監督)初日舞台あいさつが10日、東京・池袋シネマ・ロサで開かれた。同作は、演劇の道に進みたかった元教師の父の夢をかなえるべく、娘がプロデューサーになり、演劇の道を進んだ2人の息子に声をかけて家族3世代で作り上げ、18年に大阪、19年には東京で上演した85歳のおじいちゃんが主演の舞台を映画化。主人公の東米蔵を演じた主演の西本匡克は87歳、孫のキョウヘイ役の西本健太朗(32)、キッペイ役の西本銀二郎(28)は西本の実孫で俳優だ。


西本は、冒頭で「足下も悪い中、こんなに来ていただき、ありがとうございます」とあいさつ。出演の中川パラダイス(44)から「そんなに、雨降ってないよ」とツッコまれると笑った。そして「こういう映画ができるなんて、夢にも思わなかった。皆さんのおかげで、たくさん来ていただく、皆様方のおかげだと、つくづく男冥利(みょうり)につきます」と感激した。


西本健は「本当の本当のじいちゃん。国語の先生だったので、夏休みに読書感想文を手伝ってもらった、そんなじいちゃんとの共演が不思議。役の関係性もリアルのまま。演じているかリアルか分からない感じになった」と振り返った。そして「家族で舞台あいさつは、なかなかできない。このような場所に立てて幸せ」と喜んだ。


西本銀も「7年前に大阪で舞台を最初にやり、東京でやり…約7年。同じ役で、おじいちゃんとお芝居で一緒にいる。毎回、知らない、おじいちゃんの姿があり、吸収しなければとお互いに役を作り上げた」と兄に続いた。


劇中では、米寿を目前に亡くなってしまった米蔵の宝物であり、ライフワークだった発明品を孫のキッペイが整理していると、ヘルメット型の発明品が作動し、遺体の米蔵とキッペイの人格が入れ替わってしまう。兄キョウヘイ、長谷川かすみ(32)演じる西野ヒトミらは、何とか元に戻そうと奔走する。そんな家族の絆に物語を、本物の家族が描いたことが話題を呼び、チケットは完売が相次いでいるという。


西本の娘で、西本健と銀の母でもある西本浩子プロデューサーは「お父さんが好き。舞台上のお父さんのキラキラした姿を見て、プレゼントをいただいたなと」と感無量の表情を浮かべた。


西本は「もうちょっとしたらね、5月半ばに、パパになります。パパと言っても88。米寿になります」と口にした。16日に誕生日を迎えるに当たって飛ばしたジョークだが、これには中川も「奥様、おばあちゃんがご懐妊…一瞬、焦りましたよ」と笑った。


東京での舞台と映画版に出演した長谷川から「じいじ、すっごい役者なんですよ、ひと言で泣かせる…元々はおじいちゃんという見方をしていたのが、役者の大先輩になりました」と褒められると、西本は満面の笑みを浮かべた。そして「どうしましょう。こんなに褒められたら、ビックリポン」と笑った。そして「命の続く限り、またやってみたいと思います」と次回作にも意欲を見せた。


この日は、北澤カオル役の山田姫奈(28)も登壇した。


◆「劇場版 米寿の伝言」変わり者の発明家・東米蔵(西本匡克)は、米寿を目前に亡くなってしまった。孫のキョウヘイ(西本健太朗)とキッペイ(西本銀二郎)兄弟は、変わり者の祖父を懐かしみながら、祖父の宝物ともいえる発明品を整理していると、棺桶の中に横たわる遺体の米蔵とキッペイの中身が入れ替わってしまう。よみがえった米蔵に喜ぶのも束の間、2人を入れ替えた発明品が壊れてしまい、元に戻せなくなった。このままでは、キッペイが火葬されてしまう危機に…。

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