ファンと昇格を喜ぶHSVの選手たち [写真]=Getty Images ブンデスリーガ2部第33節が行われ、ハンブルガーSV(HSV)が自動昇格を決めた。
HSVはブンデスリーガ優勝3回、チャンピオンズリーグ優勝1回を誇るドイツ屈指の名門。しかし、DF酒井高徳(現ヴィッセル神戸)がキャプテンを務めた2017−18シーズンにクラブ史上初の降格を経験して以降、2部から脱出できないでいた。これまで、入れ替え戦に一歩及ばない4位が4回。2021−22シーズンと22−23シーズンは3位で入れ替え戦に出場したものの、いずれも1部の16位に敗れていた。
7シーズン連続の2部での戦いとなった今シーズンは序盤から安定して勝ち星を積み上げ、大混戦の昇格争いをリードしてきた。そして、10日に本拠地『フォルクスパルクシュタディオン』で行われた第33節ウルム戦で6−1の快勝。残り1試合で3位以下との勝ち点差「4」をキープし、自動昇格圏内の2位以上が確定した。
止まっていた時計の針が再び動き出し、辛苦の時間を耐えてきたファンの感情が爆発した。『フォルクスパルクシュタディオン』のピッチには大勢の観客がなだれ込み、選手と一体となってお祭り騒ぎが繰り広げられた。
今季22ゴールで昇格に貢献したダヴィー・ゼルケは声高らかに「周りを見てくれ。この場所を見てくれ。このクラブはついに本来の姿を取り戻したんだ!」と叫ぶ。「もう2部リーグはごめんだ!もう二度とない!もう二度と!」
スタジアムの狂騒のなかで何人かが打撲やねんざなど軽傷を負い、広告板は破壊され、記念にピッチの芝やゴールネットを持ち帰るサポーターの姿も見受けられた。歓喜の渦はハンブルクの街全体に波及し、人でごった返した中心街で警官隊が必死に交通規制を試みる。HSVサポーターの凱歌は夜通し響き渡った。
なお、もう一つの自動昇格枠決定は最終節へ持ち越しとなった。2位ケルンが勝ち点差「3」で3位エルフェアスベルクをリードしており、ケルンは最終節ドロー以上で1年での1部復帰が決まる。1部16位との入れ替え戦に臨む3位の座も複数チームに可能性が残されている。
【ハイライト動画】HSV 6−1 ウルム