
女子走高跳パリオリンピック™金メダルで世界記録保持者のヤロスラワ・マフチク(23、ウクライナ)が13日、都内で行われたトークイベントで男子同種目の戸邉直人(33、JAL所属)と対談した。同じ競技を行う選手として競技論、さらにはアスリートとして「挑戦へ一歩踏み出す勇気」について語り合った。
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マフチクは、18日に国立競技場にて開催される『ゴールデングランプリ陸上』に出場するため、2021年の東京オリンピック以来の来日だ。近年の成績としては、2023年の世界陸上ブダペスト大会、その翌年のパリオリンピックで金メダル。同年のダイヤモンドリーグパリ大会では2m10という世界記録を樹立した。今季もダイヤモンドリーグ2連勝で、「世界女王」として注目を浴びている。
出身国はウクライナ。母国は2022年からロシアに軍事侵攻され、3年以上たった今も終戦の目途はない。ウクライナへの思いを聞かれると「ウクライナを離れても、心のどこかには応援してくれる家族、友達やサポーターがいつもいる。ウクライナのために競技を続けている」と話した。また、対談後には寄せ書きされたウクライナの国旗がマフチクにプレゼントされた。未だ母国を拠点としての活動ができない中でも、国旗を持つ彼女の姿からは、多くの国民の期待を背負い、世界に強さを証明する確固たる意志がうかがえた。
また、競技を始めたきっかけを話す中で、家族についても触れ「過去に空手が欧州で2位という記録をもつ姉から、空手を勧められるも1、2週間でやめてしまったわ」と意外な過去を告白し、会場は笑いに包まれた。「陸上(走高跳び)を選択して間違いなかった」と笑顔で話した。
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23歳という若さで活躍し、夢に向かって努力している次世代の若者に勇気を与えているマフチク。若者や子どもへのメッセージを求められると、「情熱をもって努力を継続することが目標達成の唯一の手段。走高跳びのルール(より高く飛べるように3回まで挑戦できる)のように失敗しても諦めずに挑戦し続ける姿勢が、必ずゴールへと導く」と語った。
今年9月に東京で34年ぶりに開催される世界陸上(国立競技場)には前回女王として出場を予定している。
「競争が激しいと思うが、シーズンベスト(2m02)よりも高く跳びたい」。まずは18日に同会場で開催されるゴールデングランプリでの活躍を誓った。
■ヤロスラワ・マフチク
2001年9月19日生まれ ウクライナ・ドニプロペトローウシク出身 身長181センチ
【主な成績】
2019年 世界陸上ドーハ 銀メダル
2021年 東京五輪 銅メダル
2022年 世界陸上オレゴン 銀メダル
2023年 世界陸上ブダペスト 金メダル
2024年 ダイヤモンドリーグパリ大会で2m10センチを跳び、世界新記録を樹立
2024年 パリ五輪 金メダル
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