マッチングアプリ悪用し視覚障害者から“ぼったくり”か 男女3人を逮捕 障害者向けアプリは「よりどころ」視覚障害者語る“出会いの場”減る危惧【news23】

27

2025年05月16日 14:47  TBS NEWS DIG

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

TBS NEWS DIG

TBS NEWS DIG

15日、逮捕された20代の女ら3人。視覚に障害がある男性を狙ってぼったくり営業を行っていたとみられています。3人は目の不自由な人が伝票が見にくいことなどを利用して高額の請求をするなど、卑劣な手口を繰り返していたとみられます。

【写真を見る】障害者向けマッチングアプリで“ぼったくり” その手口とは?

障害者向けマッチングアプリ悪用し“ぼったくり”か

男性
「視覚障害があり、生まれつきのものになります。なんとなくぼやっと見える感じ」

男性は、障害者向けのマッチングアプリで知り合った相手に、法外な飲食料金を支払わされました。

記者
「警視庁の捜査員に連れられて、菅原容疑者が自宅から出てきました」

東京・渋谷区のバー「クイーン」の従業員、菅原梨那容疑者ら男女3人。

2025年1月、マッチングアプリで知り合った男性を、従業員だと告げずにバーへと誘い、飲食代金として現金や金のネックレスなど、約190万円分を強引に取り立てた疑いがもたれています。

3人が悪用したのは、障害者が利用する「マッチングアプリ」。本来は障害者の“出会いの場”になるものですが、3人は障害者を誘い出すために使っていたとみられます。

視覚障害者2級の手帳を持ち、生まれつき弱視の20代の男性。2025年2月、出会いを求めてマッチングアプリを始めると、すぐに“ある女性”が「いいね」をしてきました。

「本名りさって言います〜」

“本名りさ”の正体は、菅原梨那容疑者。男性は、その日のうちに菅原容疑者と会う事に。

男性
「(Q.女性に対してどう感じていた?)優しい人だなって感じ」

男性は、菅原容疑者の希望で渋谷のバーへ。菅原容疑者は、このバーの従業員であることを隠していたといいます。

菅原容疑者は客として振る舞い、“トランプで負けたらショットグラスで酒を飲む”、とのゲームを提案。男性の記憶では、2人で100杯以上注文したといいます。

男性は2時間5000円の飲み放題を頼んでいましたが、店から「ショットの料金は飲み放題に含まれない」と言われ、最終的に69万円を支払いました。

メニュー表には「ショットは別料金」と書いてありますが、男性は視覚障害者。しかも店内は薄暗かったといいます。

菅原容疑者は「カードが使えない」といって金を払わず、そのまま連絡がつかなくなりました。

“ぼったくり”被害に遭った視覚障害のある男性
「見えづらい部分もあるし、伝票も僕が見ず女性が確認した。(自分の)プロフィールに『視覚障害』って書いたので、“見えてない人”って認識はあったと思います。騙しやすい相手を選んでやっているんだなって、なんか恨みしかないですね。恨みというか、怒りというか」

また警視庁によると、すぐに金を払えない客はサウナに連行。消費者金融とローン契約が完了し、現金を引き出せるようになるまで、監禁状態にしたといいます。

3人はこうした手口で、2024年9月からの8か月間に54人から8000万円以上を得たとみられます。3人はおおむね容疑を認めていますが、警視庁は背後に別の指示役がいるとみています。

“ぼったくり”被害に遭った視覚障害のある男性
「障害年金とかいろいろ貯めたものを取られちゃった。いい出会いがあればいいなと思ってアプリを入れたのに、すごく残念」

安心して登録できるはずの障害者向けアプリ「裏切られてしまった」

全盲の井上直也さん(41)によると、障害がある人にとって、一般的なマッチングアプリは利用しづらいといいます。

――普通のマッチングアプリに登録したことはありますか?

全盲の井上直也さん(41)
「あります。普通のマッチングアプリでも、現実の恋愛でも、結局私の場合であれば、実は目が全く見えないんだってカミングアウトしなきゃいけない所はあるかもしれない。せっかく仲良くなったのに自分の症状をカミングアウトしたら逃げられちゃった、逃げられてしまうかもっていう心配事」

――障害者向けアプリを使ったことは?

「はい、あります。ユーザーが何らかの障害がある、もしくはその障害に理解がある人しかいない。『私は全盲の視覚障害者です』というところから入れるので。どういう出会いのチャンスがあるか、私も独身ですのでご縁があればいいなと」

生まれつき弱視の渡辺さんは、障害者向けマッチングアプリが持つ安心感は、前向きに行動するきっかけにもなるといいます。

――そういうアプリの存在はどうですか?

生まれつき弱視の渡辺 馨さん(25)
「出会いを探す人からすれば、かなりよりどころになってる部分あるかな。障害があっても安心して登録できる。出会い探してみようかなって前向きになる人もかなり多いかなと私は思います」

障害者向けのマッチングアプリが悪用されたことで、障害がある人たちの出会いの場が失われることを心配しています。

生まれつき弱視の渡辺 馨さん(25)
「安心していた期待というか、ちょっと裏切られてしまった。今後障害者向けであっても、そういうリスクがあるならやめとこうかなって人も増えてくると思いますし。実際、私も使うことにためらいは出てしまう」

――本来あるべき出会いも遠ざかる可能性?

生まれつき弱視の渡辺 馨さん(25)
「だいぶ機会は減ってしまうと思います」

動画・画像が表示されない場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • こういう人として【外道】な事をやってると、そのうち東京・高田馬場で殺害された、‘‘頂き女子あいちゃん’’みたいになるぞ!
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(18件)

前日のランキングへ

ニュース設定