
断崖絶壁に張り巡らされた鎖を頼りに、一歩ずつ登るスリル満点の「鎖場(くさりば)」。日本百名山の中には、安全のために鎖場が設けられた山があり、緊張感と達成感を同時に味わえます。
本記事では、登山中級者でも挑戦できる「鎖場のある日本百名山」おすすめ3座をご紹介。あわせて、安全のために持っておきたい便利アイテムも紹介します。
●鎖場がある日本百名山:谷川岳(群馬県、新潟県)
「谷川岳」は、群馬県と新潟県の県境にそびえる人気の日本百名山。「西黒尾根コース」は鎖場や岩場が点在し、スリルを味わいたい人にぴったりのルートです。鎖場では三点支持を意識して、滑り止め付きのグローブを使えばより安全に進めます。
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序盤から急登が続き、標高差は約1160m。登りごたえは十分ですが、その分稜線に出たときの達成感と絶景は格別です。空へ続くような尾根道を歩く高揚感、間近で見る荒々しい岩肌の迫力は、写真では伝わらない臨場感があります。
「天神尾根コース」でロープウェイを使えば、景色を楽しみながら一気に下山可能。登りと下りで表情の異なる谷川岳を味わえる、満足度の高い山旅になるでしょう。
●鎖場がある日本百名山:両神山(埼玉県)
埼玉県の奥深くにそびえる「両神山」は、ギザギザと切り立った尾根が印象的な日本百名山。春にはアカヤシオが咲き、秋には紅葉が広がるなど、荒々しい岩肌とやさしい自然美が同居する独特の魅力を持ちます。
鎖場に挑戦してみたい人には「日向大谷登山ルート」がおすすめ。歩きやすく鎖場は少なめで、片道3時間半程度で山頂に立てるため、比較的安心して登ることができます。
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登山上級者がスリルを求めるなら「八丁尾根登山コース」へ。連続する鎖場と急な岩場が続く上級者向けルートで、登山の真髄を味わえます。
どちらのルートも、滑り止め付きのグローブやヘルメットなどの装備を整えて挑戦を。迫力ある岩稜と、信仰の歴史が息づく山旅が待っています。
●鎖場がある日本百名山:石鎚山(愛媛県)
石鎚山は、四国の屋根とも称される西日本最高峰。標高約1982mの霊峰であり、古くから山岳信仰の対象として多くの人々をひきつけてきました。
おすすめは「ロープウェイ山頂成就駅〜弥山」をたどる登山コース。試しの鎖を皮切りに、一の鎖、二の鎖、三の鎖と、スケールの異なる4本の鎖場を体験できます。すべてに安全な迂回路が設けられているため、体力やスキルに応じてルートを選べるのも魅力です。
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鎖を登ると、背後には瀬戸内の島々、前方には切り立つ天狗岳の稜線が視界に現れ、達成感もひとしお。最後の三の鎖を超えた先には、弥山からの大パノラマが待っています。霊峰の厳かさと、登山のスリルを同時に味わえる、忘れられない山行となるでしょう。
●鎖場がある日本百名山におすすめのギア
ミレー「QD トレック グローブ」
手のひら部分に滑り止め加工を備えたグローブ。タッチパネル対応のため、装着したままスマートフォンが操作できるのもポイントです。
ブラックダイヤモンド「キャピタン」
ヘルメット推奨の山を歩く際や、鎖場での安全性が心配な場合はヘルメットを用意しましょう。
ザ・ノース・フェイス「アルパインライトパンツ」
鎖場や岩場を歩く際には、ストレッチ性が高く摩擦にも強い、耐久性のあるトレッキングパンツを選びましょう。