パチンコ店「〇〇さん来店!」←「誰だよ」 演者来店イベントって意味あるの? 一般客に不評なのに廃れない理由

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2025年05月18日 06:10  キャリコネニュース

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10年ほど前、某パチスロ攻略サイトでライターをしていた。当時はガチでノルマ数千Gぐらい振り分けられて、遊技台の挙動を逐一小役カウンターとメモ帳を使って記録しつつ適時画像も撮影。その上で持ち帰ったデータを今度はパソコンでグラフに入力し、仕上げにその模様をまとめた記事を入稿するという、気が狂うような工程を当たり前にやっていた。

今考えるとこれだけで1人10万円ぐらい貰っててもおかしくない作業量であるが、報酬単価めちゃくちゃ安かったなぁ。半日もホールに缶詰にされて、家でも作業するってブラックにも程がある。ただ、そうでもして確度の高い情報を出さないと意味がないから、仕方ない。

恐らくあの頃はそういった作業をしていた媒体も他にあったんじゃないだろうか。今でも雑誌媒体とか、大手はそういった作業をしているはず。

こういうこともあってパチスロライターという呼び方は当時からあったのだが、徐々にこの業界も動画ありきになっていった。やがて動画内で打つだけで何も書かない、しかも遊技を「遊戯」って書いてしまうライターが現れた。ほとんど素人みたいなものである。

やがて誰かがそこに異を唱えたんだろう。そうした人たちは「演者」と呼ばれるようになった。そして、パチンコホールがどこの誰かも分からない演者を呼び、来店イベントを開催する。一応、今のパチンコホールは表立ってイベントを打つことができないのだが、取材の名目で演者を呼べば、イベントにあたらないというわけだ。バリ賢いね。(文:松本ミゾレ)

常連客にとって演者は邪魔なだけ?

そして、演者さんたちにはホールからギャラが支払われる。その金額は数万円の小遣いレベルから数十万円とピンキリだ。その演者の知名度やSNSでの拡散力によって変わってくる。

では、こうした来店イベントをユーザーはどう思っているのか。近所の店に有名な演者がやってくる、なんてこともあるのだろうけど、演者の大半は正直微妙なレベルだ。客からすればどこの誰かも分からない演者を見ても、魅力を感じることはない。

店頭に「○○さん来店!」と宣材写真入りのPOPが並んでいたとて、普通の客からすれば「こいつ誰なんだよ」で終わる話だし。その上で狙い台が演者と被っている場合、演者は邪魔だよね。

でもホールからすれば、演者を呼ぶことのメリットは確かにある! 何月何日にどこそのホールに演者が来るという話がSNS上で共有されると、「じゃあその日が熱いのかな? 行ったことない店だけど、その日だけ行ってみるか」というパチンコ以外には特にすることがない暇人連中を近隣から呼び寄せることに繋がる。

それは紛れもない集客効果だ。その上で心ある店長なんかがちゃんと設定を入れてさえおけば、たとえ「演者が来るから設定が入りそう」程度のふわっとした理由でやってきた一見客にも、甘い汁を吸わせることはできる。

問題は、来店イベントが常態化すると、演者を呼ばない日が回収日って印象を客に広く与えかねないという点だ。

常連客であればあるほど、得体の知れない演者と、それに釣られてやってくる“今日しか来ない人たち”で混雑するのはしんどいだろう。でもお店もなりふり構っていられんから有象無象を呼ぶわけで、そこはもう仕方がないところだよね。

演者来店日に遠征してくる連中の目的は設定にあり、演者ではない…

で、来店イベント当日には一般客に混じって演者さんがやってくる。この人たちは決まった時間、ホールの遊技台で遊んで、合間合間にSNSで「今日ここで打ってます」みたいなPRもしてくれる。

なので検索すればそのような発信を目にすることもできるんだけど、正直演者もピンキリなので、SNSフォロワーが1万に満たない人も結構いる。そういう人の発信の影響力は大したものでもない。

そもそも客寄せパンダはパンダが貴重だから意味があるんだけど、演者は本当に今、ものすごい数が存在している。パンダの数が飽和したらもはや客寄せにならず、演者個々人のファンもつきにくくなる。まあ、そもそも“演者のファン”ってなんだよ(笑)って話ではあるんだけど。

彼らの来店を目当てにしてるガチのユーザーも、所詮は演者ではなく設定に期待しているだけ。ぶっちゃけ、依存症の人たちが来店イベントに期待して、出玉を求めて右往左往しているだけだよね。しかしそれでもやっぱりホールにしてみれば、安く呼べるならとりあえず演者を呼んでおこうとなるわけだ。

なので演者来店イベントは、僕としてはかなりの発明だと思っている。元々のパチスロライター来店イベントの場合、設定推測までやられるから下手に呼んじゃうと「データを起こして推測しましたが、低設定っぽかったです」みたいなことを書かれかねない。

折角ホールが金を出して呼んでるのに、こういうことを言われると困る! みたいなことになるわけで、その点演者はいいよね。大抵の演者は、やっぱり次回も呼ばれたいからベタピンに気付いても発信しようとは思わない。「今日はありがとうございました、楽しかったです PR」と発信して帰るだけ。扱いやすいったらない。

逆に人気のある演者のほうが、あけすけにホールの状況を暴露することもあるから扱いが難しいかもしれない。ただ、それをやられたくなければ店も呼ばなければいいわけだし。

しかし今って、パチンコもパチスロもほとんどやったことがないような人も演者になれる時代。そんな演者が来店することで、同じくギャンブルしたこともないファンもぞろぞろやって来ることも。そうしたファンは店で遊んでお金を落とすこともなく、問題視されることがある。

ただ、未経験で演者になる奴もなる奴だが、スカウトする奴もスカウトする奴だよね。でも顔がいい演者の方が、ルックス微妙だけどパチスロに詳しい演者よりもバズるだろうから、ある意味で正しい選び方だ。世の中って昔から、何を言うかではなく誰が言うか、みたいなところがある。パチスロ演者界隈だって、そこはやっぱりそうなのだ。

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